2025年11月09日(日)

コラム・エッセイ

「能登半島地震から思う」

おじさんも頑張る!~山の話あれこれ~ 吉安輝修

 能登半島地震の発災からひと月以上経つが未だに復旧復興の見通しは立っていない。仮設住宅への入居も始まったという報道も聞くが、多くの被災者が先の見えない不自由な避難生活を送りながら被災した自宅の片づけなどしているという。

 大した役にも立たないかもしれないが、トラックに道具や自活のための食料など積んでボランティアでお手伝いに行きたいとも思うが、道路や水道などの生活インフラが壊滅的な状況で現地での受け入れ体制が整わないという。

 無理に行って行けないこともないだろが、怪しい人物がチェンソーやバールを担いでウロウロして火事場泥棒に間違われて混乱を助長するだけになりそうだ。

 とはいっても田舎暮らしで農林業というのは伐採作業から土木作業、鍛冶屋の真似事まで本職には及ばないかもしれないが、大抵のことはできるし道具も揃っている。ボロでもユンボ(油圧ショベル)もあるので運ぶ手段があれば人力の何十倍の仕事がこなせるけどなあ…。

 それに現役で山歩きを趣味にしているので1週間以上の長期縦走で食料やテント、寝袋、鍋やコンロまで背負って歩くことを思えばしばらくは無補給でやっていける自信もある。もし何かのご縁で手伝いが欲しいという依頼があれば駆け付けますよ。

 この度の能登半島地震に関する報道で「想定すらしていなかった」というのを聞いた。近年、大雨や大型台風などによる自然災害が頻発しているし、前ぶれもなく起こる噴火や地震、津波も含めれば日本中どこで何があってもおかしくないと思った。

 太古の人々は唯々逃げまどうか、天を仰いで不運を嘆くしかなかったのもしれない。しかし我々現代人は(特に日本では)それらの完璧な予知はできなくても備えや心構えはやろうと思えば出来るのではなかろうか?

 「人の振り見て我が振り直せ」と言えばお叱りを受けそうだが、この度の能登半島地震後の顛末を見聞きするにつけ、改めて日本が災害大国と言われる所以と、人の行動はバイアスによる支配を避けられないことも納得した。

 ならば、月並みだがまずは自助。最低でも枕元に懐中電灯を置き、寝床には背の高い家具は置かない。しばらくは食いつなげるだけの食料のストックをする。共助としては自助で賄えない場合を想定した物品のストックが必要だし、電気や電話、水道などの公共インフラの当面の代替手段も考えておく必要がありそうだ。

 有事には在住民が地元の消防団や行政などと横並びで動ける体制づくりが必須だし、近隣地区との関係性や情報共有も考えておきたい。公助は自助、共助の啓発をすることと、住民と一緒になっての危機管理の体制作りと正確で不断の情報発信が必要だと思う。公助のみに頼る限界をこの度も見た。

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