コラム・エッセイ
有朋自遠方来不亦楽乎2024笠戸の旅①
おじさんも頑張る!~山の話あれこれ~ 吉安輝修梅雨に入り毎週のように大雨警報、洪水警報が出る。一時は避難指示が発令されるなど気の休まらない日が続いている。近辺に大きな被害はないが、全国区でみれば各地で浸水被害や土砂災害が起き人命も失われている。被災住民のインタビューでは「ここに何十年も住んでいてこんなことは初めてだ…」と口をそろえるが、もう過去の経験則など通用しなくなっているのは明白で、自然災害に対する危機意識を一段レベルアップする時期だと痛感する。
一言進言するとすれば現代の高度に発達した通信インフラと合わせ、最新予報技術などは人工衛星やレーダーはじめ各地の雨量や水位など膨大な電気仕掛けのデータをインターネットを介し集めて解析しているのだろうが、ひとたび電源喪失や設備のトラブルが起これば瞬時にして暗中模索状態になる気がしてならない。
もちろん電源のバックアップやサーバーはじめ設備の予備のまた予備もあるのだろが、近年の金融機関のATMはじめ航空会社の予約システムのトラブルやハッカーの乗っ取りで企業活動が停止するなど、平時でも大混乱を招くのに天変地異的状況下にどこまで全うに機能するのだろうか。官民共に遅きに失する前に一考すべきと思うが…。愚民の戯言が長くなってしまった。
こんな安定しない天候下ではあるが、先日恒例となった鳥取県の山岳会「米子登攀俱楽部」の山仲間の面々が山口遠征と称してやって来た。昨年は徳山の大華山を縦走する企画で、天気はパッとしなかったが右に徳山のコンビナート群。左に笠戸島を眺め遥かにあれは四国の山ではないかと指を指し、山陰の海とは違う瀬戸内ならではの山歩きを堪能した。夜もまた大いに親交を深め、来年はあの対岸の笠戸島縦走も候補かと遠のく意識で語り合ったような気もする。
結局は笠戸島の主脈縦走と決め、2度ばかりは偵察にも行って準備も進めてきた。目まぐるしく変わる週間天気予報に気を揉んでいたが、迎えた当日の天気は晴れ。笠戸に向かう車中のラジオから聞こえる熱中症に警戒の声に雨とどっちがいいのか、コース取りはどうしたものかと思案もするが、まあ、メンバーは歴戦の勇士、猛者揃いで寒さ暑さを言い訳にはしないだろう。
今回コースのガイド役を務める高橋君と相談して遠路来てくれるのだからそれなりに目一杯の体験はして欲しいものだと若干のショートカットはしても予定通りの断行決定。
米子から延々5時間近く車を走らせ10時前に笠戸の大城駐車場で合流。すでにジリジリと肌を刺すような日差し中、年甲斐もなく遠方の山友再会とキラキラ光る瀬戸内の海をバックに使用前の記念写真だなどとはしゃぐ。
稜線に出るまでの登りに大汗をかいたが、主稜線に出ると灌木で視界はないものの木陰となり、時折の徳山側から光側に向けて流れる微風が心地よい。

昨年、大華山の縦走路から対岸の笠戸島を眺めながら歩いた

合流した大城前で使用前?の記念写真

主稜線に出ると木陰となり時折の微風が心地よい
