コラム・エッセイ
「謹賀新年2025」
おじさんも頑張る!~山の話あれこれ~ 吉安輝修新年明けましておめでとうございます。新年のご挨拶には少々時間が経ってしまい、どうしたものかと迷いましたが、形式的にでも年頭のご挨拶をさせていただきます。今年も「おじさんも頑張る!」にお付き合い下さい。
新たな年が始まるというのに世界中で終わりの見えない争い事が続いている。命が奪われ続け、まちが壊され住む家も仕事も失う惨事を見聞きするにつけ、がかりそめにでも平和で穏やかな新年を迎えることができたことが有り難い。とはいえ、世界中で大小様々な災害が頻発し、ニュースが追い着かずに忘れ去られようとしている現実に諸手を挙げて喜ぶのもはばかられる。
もう一つ言わせてもらえば、世界中での覇権争いもいい加減にしてほしい。いい大人達が武力をちらつかせながらの勢力争いはまさに我田引水だ。今の地球環境はそれどころじゃないのになあ…。
どこかで手を打たないと地球は終わりになるのではないかと市井の片隅に暮らす年寄りでさえ心配になる。年始早々に気が重くなる話題となってしまった。
◇ ◇
歳をとって残存時間が有限だと気付いた昨今「やってみたいこと」を整理し、少年のように夢想している最中だ。昨年は加齢に伴うものとは思いたくないが、足腰の故障で唸る日が多く「登る」「走る」の余裕はなかったが、年頭に当たり、ちょっぴり挑戦的に歩いてみたい山々に思い巡らせ、体力維持のために始めたランニングも昨シーズンより1分でも早くなることを目標とした1年にしようと思っている。
もちろん十九や二十歳のころのような怖さ知らずの無茶なことは“大人”として自重するが、もうしばらくは多少の無理がきく気がする。
初登山に正月早々の伯耆大山を登ってきた。気温はマイナス10度。風はそれほどでもなかったが七合目から上はホワイトアウトで視界は10メートル。多少の余力を残して頂上から駆け下って大満足。
つい先日のマラソン大会では暮の萩城下町マラソンより5分ばかり縮めて完走できた。自己ベストには遠く及ばないが「まだ出来る!」と確信した。
次はコロナ禍前に駆けるようにして巡った九重の1,700メートル峰の8座を1日で一筆書きで歩いてみたい。大山も南の烏ヶ山(からすがせん)から北端の船上山までのロングトレールを一気に歩いてみたい。ひと昔前に登った雲仙岳を海抜ゼロから歩き頂上を踏んで島原半島の反対の海水にタッチしてみたい。もし財布と時間に余裕があれば屋久島も横断してみたいしコロナで中断したままの知床半島縦走計画も残り1割を切って知床岬がすぐそこまで歩いている。
夢をみるのはタダで誰にも迷惑はかからないが元気であってこそで、体をいたわることも大事だとも思うが…おじ(い)さんは頑張りますよ!
皆さんはこの一年何に挑戦しますか?

久しぶりの雪山に心がおどる:新雪の下は凍って滑る

七合目から上はホワイトアウトで視界は20m以下:山頂避難小屋は雪に埋まっていてすぐ近くに行くまで見えなかった

走るようにして元谷に下った:振り返っても山の上部は見えなかった
