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経済 : 下松市のニュース
[この人に聞く]東洋鋼鈑㈱取締役常務執行役員・下松事業所管掌兼下松事業所長 荒瀬 真さん(61)
経済下松市「いい製品を効率よく安定生産」
山口県下松市の東洋鋼鈑㈱下松事業所長に周南市出身の荒瀬真さん(61)が就任した。本社の管理部門長を経て4年ぶりの再登板で、コロナ禍の後の事業展開に期待は大きい。周南3市出身の事業所長は2013年の坂本信夫氏以来となる。荒瀬事業所長に今後の抱負を聞いた。(聞き手・山上達也)
―4年ぶりの下松事業所長ですね。
荒瀬 前回就任した際は、執行役員・下松事業所長としての立場でしたが、今回は取締役常務執行役員・下松事業所管掌兼下松事業所長であり、責任の大きさを感じています。
―着任時、どんな訓示をされましたか。
荒瀬 前任の甲斐政浩が取り組んできた働き方改革や、カーボンニュートラル、老朽化設備への対応、昨年4月に制定した企業理念の浸透を訓示しました。コロナ禍で低下した社内コミュニケーションを活性化していくことや、従業員一人ひとりが健康であってこそ会社の目標が達成できるという考え方も披露しました。
―現在の業績はいかがでしょうか。
荒瀬 2022年度の鋼板関連事業は、車載用二次電池材料の販売好調に加え、エネルギーや諸資材価格の高騰を背景に、お客様のご理解をいただきながら販売価格の改定を進めたことや為替の影響などもあり、売上高、営業利益とも前年比増となりました。今期については、エネルギー価格の高騰や原材料価格の動向等、不透明感が続くとみています。
―今後はどんなことが課題になりますか。
荒瀬 業績目標の達成に向け、いい製品を効率よく安定生産していくことに尽きます。カーボンニュートラルやCO2削減も大きな課題です。
―具体的には?
荒瀬 例えば、下松事業所の屋根に年間発電量2100メガワットの太陽光パネルを設置しました。事業所全体で使う電力量からするとわずかなものですが、できることから取り組むことが大切と考えます。しかし、1社単独の取り組みでは限界がありますので、日立製作所笠戸事業所さんとも情報共有を始めています。
―日立製作所笠戸事業所さんとは交通立哨の取り組みも共同でされていますね。
荒瀬 交通立哨は両社の安全防災部門で連携し、お互いの通勤時間に合わせ一緒に立哨しています。その他にも、現場責任者の当社の職長会と日立の特称会さんとの交流も続いており、今後の進展が期待されます。
―男女共同参画の推進は進んでいますか。
荒瀬 2019年から製造現場に女性新入社員を迎えています。すでに14人が就業し、中には結婚、産休を経て復職した方もいます。今後も女性管理職登用や女性が働きやすい環境整備を進めます。
―コロナ禍の影響はありますか。
荒瀬 本社でコロナ対策責任者を3年間務めました。テレワークやオンライン会議などが進んだ半面、対面のコミュニケーションの機会が失われるというマイナス面もありました。
―コロナ後はいかがですか。
荒瀬 社内駅伝大会やソフトボール大会を復活させます。社内のコミュニケーションを対面で少しずつ元に戻していきます。
―地域への貢献活動はいかがですか。
荒瀬 コロナも落ち着いてきましたが完全に収束していませんので、今年度は「TK WORKS ファミリーデー」として、まずは従業員と家族、OB・OGに向けた事業所開放イベントを開きます。さらに落ち着けば、来年度は地域の皆さんにご来場いただくイベントに戻します。
―そうすると荒瀬さんのマジックが久しぶりに披露されますね。
荒瀬 それが最近、マジックを全くしていないんですよ。(笑い)できるようになればいいなと思っています。
―トルコ現地法人の工場はいかがですか。地震の被害は大きくなかったでしょうか。
荒瀬 世界情勢の影響を受けつつ利益も出しており、業績は安定しています。下松から工場に3人、イスタンブールの営業部門に3人が出向しています。地震では誠に残念ながら従業員1人がアパート倒壊で亡くなりましたが、工場自体の被害はなく、地震から10日後に操業を再開しています。
―市民へのメッセージをどうぞ。
荒瀬 当社は来年で創立90年を迎えます。下松の地で事業活動を継続できているのは、ひとえに地域の皆さんのご理解のおかげです。今後も安定した事業活動を進め、利益を上げながら地域に貢献したいと思います。
【荒瀬真さんプロフィール】
1961年生まれ。徳山小、岐陽中、徳山高、立教大経済学部卒。中高時代は剣道部で活動し、大学でマジック研究会に入ったのがきっかけで現在もマジックに打ち込み、イリュージョンもこなす玄人はだしの腕前だ。東洋鋼鈑には85年に入社し、情報システムや経理、秘書、総務部門を経て下松事業所総務人事部長、同事業所長、管理部門長を務めた。家族は妻と、社会人の一男一女。
