2026年01月13日(火)

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経済 : 下松市のニュース

【下松市】世界的な半導体需要に呼応 日立ハイテク・245億円で工場増設

  • 調印後、握手する左から国井市長、村岡知事、飯泉社長

  • 記者会見に臨む飯泉社長(左)と坂口地区長

  • 新製造棟の完成予想図(日立ハイテク提供)

地域経済に好影響期待

 日立製作所グループの㈱日立ハイテク(飯泉孝社長、本社・東京都港区)と県と下松市は23日、下松市東豊井の日立製作所笠戸事業所の隣地約8万平方メートルに建設する半導体製造装置の新製造棟に関する協定を締結した。総事業費は約245億円。11月14日(火)に起工式を開き、2025年4月の稼働を予定している。 
(山上達也)

7カ年計画で200人を新規雇用

 日立ハイテクは半導体分野▽ヘルスケア・バイオ分野▽産業分野▽電池・先端材料分野で事業を展開。下松市など全国10カ所に事業拠点を設けている。

 下松市の同社事業所の「笠戸地区」では半導体製造装置を生産しているが、人工知能(AI)や自動運転など目覚ましい技術革新に伴う半導体市場の増大や装置需要に応えていくために、新製造棟を建設することになった。

 敷地は県道笠戸島公園線に面した借地。鉄骨4階建て、延べ床面積は3万4,720平方メートル。津波対策として生産のメーンラインを2階のクリーンルームに設ける。雇用は現在の630人から7カ年計画で200人の採用を想定し、830人にまで伸ばす。生産能力を25年には2倍に、30年には2・7倍にしていくという。

 半導体はスマートフォンや自動車、家電などあらゆるものに使われている。日立ハイテクは半導体を製造する上で必要な「エッチング」という原子レベルの超精密加工の装置を設計、製造し、世界の半導体メーカーに納入している。

 中でも台湾の世界最大の半導体受託製造企業、TSMC(台湾集体電路製造)が熊本県に工場を建設中で、県によるとTSMCの進出で県内では少なくとも50社前後の半導体関連企業が好影響を受けているという。

村岡知事「半導体集積の呼び水に」

 調印式では飯泉社長と村岡嗣政知事、国井益雄下松市長が協定書に調印した。村岡知事は「これが呼び水になって半導体関係の集積につながれば、経済発展や雇用拡大が期待される。下松市と一体となって支援したい」と強調。国井市長も「日立ハイテクが下松を製造拠点に選んでもらったことに、心から感謝したい。市も県とともにできる限りの協力をしていく」と話した。

 続いて県庁内で開かれた日立ハイテクの記者会見では、飯泉社長▽坂口正道笠戸地区長▽砥綿(とわた)健一笠戸地区生産本部長▽中川武笠戸総務部長代理が出席し、記者6人が質問した。

 本紙記者は県が最大50億円を用意している半導体・蓄電池の設備投資への補助金や下松市の産業進出助成制度を活用する考えがあるかなどを問い、砥綿部長は「すでに申請し、協議が進んでいる」と答えた。

 飯泉社長は「新工場では対応しきれない新たな注文が出る可能性もあり、プラスアルファの判断の必要も出てくるだろう。基本的には今後も拡大する前提で計画を作っていく」と答え、今後の「伸びしろ」に期待をにじませていた。

 半導体は「産業のコメ」といわれるほど現代人の暮らしには欠かせないもの。下松市内では昨年から黒磯製作所、日柳製作所、山下工業所、清和工業など日立関連企業で半導体製造装置の部品製造に向けた工場の拡張が進んでおり、日立ハイテクによる245億円もの巨額投資が今後、地域経済にどんな好影響を及ぼすか、行方が注目されそうだ。

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