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経済 : 下松市のニュース
[中国電力]下松発電所跡に大型蓄電所 28年に運用開始へ 事業費非公表、従業員数未定
経済下松市昨年1月に廃止された下松市平田の中国電力㈱の旧下松発電所の跡地(約32万平方メートル)に、同社で初となる大型蓄電所を建設する。同社が12月27日に発表したもので、2028年度の運用開始を想定している。従業員数や、建設に際して跡地の既存施設を解体するかは未定。
(山上達也)
旧発電所廃止で市は税収1億円減
旧発電所の跡地活用は市のまちづくりの課題の一つで、市にとって旧発電所の廃止で税収が約1億円減ることが議会答弁で明らかになっていた。
旧発電所は1964年に操業を開始した石油火力発電所で、同市が76年から財政再建団体に陥った際、80年度から3年間、発電機増設による約20億円の固定資産税を納めたことで同市の財政再建期間を短縮させた役割を残した歴史がある。
中電「カーボンニュートラル実現に貢献」
この大型蓄電所は電気が余っている時は蓄電し、不足時は放電する役割を持つ。天候によって発電量が変動する再生可能エネルギーの普及促進が進む中、電力の安定供給に必要な調整力を確保することで、再生可能エネルギーの導入拡大に貢献していくという。事業費は非公表だが、建設には経済産業省の補助金を活用する。
蓄電量は少なくとも約3千世帯の1日分に相当する3万キロワット。出力は1万キロワットを想定している。今年7月に基礎工事に着工するという。同社は「再生可能エネルギーの導入拡大と、必要な調整力の確保の両輪で取り組むことで、カーボンニュートラル社会の実現に貢献したい」と方針を示している。
市の大木則英産業振興課長は「市としても跡地の有効利用を望んできた。今後も情報の共有を緊密にしたい」と話している。