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経済 : 下松市のニュース
【下松】電力の安定供給へ旧発電所跡地活用 中電・下松蓄電所着工へ安全祈願祭
経済下松市下松市平田の中国電力㈱旧下松発電所の跡地に同社が初めて建設する大型蓄電所「下松蓄電所」の安全祈願祭が21日、現地で開かれた。再生エネルギーの活用など脱炭素の気運が高まる中で、電力の安定供給に必要な調整力を確保する。12月5日(金)に着工し、2028年度から稼働する。
国から電力系統安定化へ補助金19億円
旧下松発電所は1964年に石油燃料の火力発電所として稼働以来、同市の主要企業の一つとして電力供給だけでなく地域経済の発展に貢献してきた。それだけに2019年の稼働停止後、跡地の活用が注目されてきた。
下松蓄電所は旧下松発電所のサッカー場だったところに建設し、敷地は跡地全体の約2%に当たる約5千平方メートル。蓄電所内に据え付ける大型蓄電池は約5千世帯の1日分の電気使用量に相当する約5万キロワット時の電力をプールでき、出力は約2万キロワットを想定する。
遠隔管理のため従業員は常駐せず、新規雇用もないという。事業費は非公開だが、国から電力系統の安定化を支援する約19億円の補助金を受けている。
大元常務「電力安定供給と環境対策を両立」
安全祈願祭には関係者約20人が参列。神事でくわ入れをした中国電力㈱の大元宏朗常務執行役員(63)は「下松蓄電所は再生可能エネルギーの導入拡大に伴う調整力確保という重要な役割を担うことになる。電力の安定供給と環境対策の両立にしっかり取り組んでいく」とあいさつ。
電気設備工事の三菱電機㈱電力プラント建設センターの中村匡志センター長▽建築主体工事の洋林建設㈱の駒井孝信取締役社長をはじめ、経済産業省中国経済産業局資源エネルギー環境課の内海盛之課長▽県産業労働部の東泰宏次長▽市地域振興部の真鍋俊幸部長らも参列した。
蓄電所の完成後は、旧下松発電所時代からある「西下松開閉所」を受電や送電に活用する。祈願祭後の報道各社との共同取材で大元常務は、残る跡地の活用について「前向きに検討していく」と答えた。旧下松発電所時代からの大きな煙突も、当面は撤去されない。
