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経済 : 周南市のニュース
県民不在? 10億円の徳山ポートビル 「一般向け施設ではない」 完成周知はHPに15行
経済周南市周南市築港町の徳山港の旧ポートビルの跡に新しい「徳山ポートビル」が完成し、2月22日から2階で県周南港湾管理事務所が業務を開始した。1階には3月1日から大津島巡航、8日から周防灘フェリーの事務所が入る。ところが建設した県は「一般向けの施設ではない」という立場。新型コロナウイルスの影響を理由に完工式などのセレモニーは開かず、県広報などへの掲載や、周南市などと連携してのPRの動きもなく、“県民不在”の声も起こりそうなオープンとなっている。
■フェリー、大津島巡航も
徳山ポートビルは建物の建設費だけで10億円。鉄筋コンクリート3階建て、2124・08平方メートル。1階が周防灘フェリー、大津島巡航の事務所、乗船券売り場、待合ホール▽2階が県周南港湾管理事務所▽3階が港湾関係の企業の事務所と徳山下松港ポートラジオ局。
屋上は周南市が整備を要望したという展望デッキ。徳山湾や市街地が一望できる。ただ、ふだんは鍵がかかっていて同事務所の職員が一緒の特別な時でないとデッキに入ることはできない。
老朽化のための建て替えで、建設の間は乗船券の売り場などは仮設の建物に移っていた。建物は完成したが、周囲は防潮堤などと一緒に整備するため、来年度事業になることから、駐車場などは未整備で工事中となっている。
完成の周知は県のホームページに22日付けで掲載した「港湾施設の供用開始について」の1ぺージだけ。「1、概要」が10行、「2、施設の使用に係る問い合わせ先」が5行。
例えば港湾管理事務所の移転は旧事務所前の張り紙と関係機関に通知しただけ。フェリー、大津島巡航の売り場などは各事業所まかせ。県としての広報はしていない。周南市の港湾担当の部署も同事務所以外は連絡を受けていなかったという。
■みなとオアシス、徳山港100周年
一方、徳山ポートビル周辺は徳山駅前図書館(駅前賑わい交流施設)や晴海親水公園があり、国土交通省が「地域住民の交流や観光の振興を通じた地域の活性化に資する『みなと』を核としたまちづくりを促進するため」に設立した「みなとオアシス」に「みなとオアシス徳山」として登録されている。
周防灘フェリーは大分と結ぶ観光ルートにもなっている。大津島には太平洋戦争中の特攻兵器「回天」の基地跡や回天記念館もある。新幹線が停車する徳山駅や、山陽自動車道などへのアクセスもよく、徳山ポートビルは県東部の玄関口、交通結節点の一角を担っている。
それでも県は取材に対し徳山ポートビルの完成について「周知はしない。不特定多数の人のものではない。荷役などの業者には対応している。それが当然、十分という認識は県知事まで共通」と説明する。
今年、徳山下松港は開港100周年。周南市は2021年度から22年度にかけ、県や下松市、光市とも一緒になって記念事業を準備中で、みなとオアシスでもあり、工業港だけでなく商業、観光港としての役割も重視する。その中核施設のはずの徳山ポートビルを「一般向けの施設ではない」と位置付ける県とは食い違いを見せている。
