2022年08月08日(月)

ニュース

経済 : 周南市のニュース

出光の北村、星村さん 東ソーの光来、永冨さんに文科大臣表彰「創意工夫功労者」

 職場で技術の改善向上に貢献した人に対する文部科学大臣表彰の「創意工夫功労者」の伝達式が19日、山口市の県庁で開かれ、周南市の出光興産徳山事業所の北村理(おさむ)さん(30)と星村亮治さん(40)▽東ソー南陽事業所の光来(こうらい)正樹さん(49)、永冨正樹さん(30)の計4人が受賞した。

 今回の県内の受賞者は5人、全国では479人。周南市の4人の功績は次の通り。

出光興産

北村さん

 北村理さん=「油水分離槽パージ方法変更による内部作業環境改善」

 プラントの定期補修工事では機器開放前の有害物質除去に通常はスチームを用いるが、スチレンモノマー装置の油水分離槽の工事では窒素を用いていた。しかし、この方法では系内に付着したポリマーが除去しきれず、マンホール開放後、しばらくすると残存しているポリマーから有害物質が生じるため、入槽前に有害物質濃度低下措置を実施する必要があった。

 北村さんはスチームによる油水分離槽の有害物質除去のため、スチーム導入可能な最適個所を検討し、反応塔系にスチームが入ったとしても反応塔本体にスチームが流れないよう、圧力差の監視と調整方法を要領として明確化した。この結果、作業時間の短縮と、換気の経費削減に貢献した。

星村さん

 星村亮治さん=「ドローンを活用した煙突内面の目視検査の改善」

 星村さんは煙突内面の目視検査にドローンを活用すれば足場などの付帯工事が削減されて工事上の安全性向上と工期短縮を図ることができると考えて、事業所内の煙突を対象にデモ検査を実施した。

 デモ検査によって、必要なドローンの種類や、ドローンの性能を把握できた。追加で海水用埋設配管を検査し、検査対象に合わせて大型ドローン、ボールペンサイズの超小型ドローン、障害物に接触しても落下しない球体型ドローンを採用した。

 大阪大と協力してドローンにマイクロ波照射機材を搭載し、煙突内面抗火石の肉厚測定テストを実施して世界で初めて成功させ、検査費用削減と工期日数短縮に貢献した。

東ソー

光来さん

永冨さん

 光来正樹さん、永冨正樹さん=「硝酸製造プラントにおける圧縮空気供給方法の改良」

 硝酸製造プラントで、アンモニアと酸素の反応時に発生する熱は、蒸気の形で回収し、空気圧縮機の駆動源として使用したのち、余剰蒸気をほかのプラントへ送気している。空気圧縮機で製造する圧縮空気の85%は反応器へ供給し、残りは硝酸吸収塔での不純物除去や希硝酸液の移液に使用している。

 光来さん、永冨さんは、硝酸吸収塔出口の硝酸中の不純物濃度が管理価より大幅に低いことから、硝酸の成分分析を重ねて、空気量を10%削減しても不純物濃度が上昇しないことを見出し、空気量削減でタービン駆動用蒸気量を減少させ、余剰蒸気量を増加させた。

 希硝酸液の移液量が少ないことから移液用空気量も削減できると考え、液量観察で移液用空気量を25%削減して余剰蒸気量を増加させた。

 この改良で削減した空気を反応用として利用することで、硝酸製造プラントの生産能力を増強できることがわかり、硝酸を原料とする製品の生産能力増強につなげた。