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経済 : 周南市のニュース
【周南市】[出光興産]クリーンな電気、10万世帯分 バイオマス発電所が稼働開始
経済周南市石油元売り大手の出光興産㈱は山口県周南市新宮町の徳山事業所(三品鉄路所長)に木質ペレットやパームヤシ殻を燃料とする「出光徳山バイオマス発電所」を建設した。12日、同事業所で竣工式が開かれた。
同社は、既存の製造所や事業所を低炭素、資源循環エネルギーの拠点に転換する「カーボン・ニュートラル・トランスフォーメーション(CNX)センター化」を進めていて、今回の発電所は2014年に稼働を終えた製油施設跡地1万5千平方メートルに建設。2020年11月に着工し今年6月に完成、7月から試運転を開始した。
同社が出資、稼働するバイオマス発電所としては川崎市の京浜バイオマス発電所、高知県の土佐グリーンパワー土佐発電所、福井県の福井グリーンパワー大野発電所に続く4基目。
年間の発電量は3億6千万キロワットアワーで約10万世帯分の消費電力に相当する。1月から本格稼働し、グループ会社の出光グリーンパワー㈱に売電する。
木くずを固めた木質ペレットはベトナムとマレーシア、パームヤシ殻はインドネシアから輸入する。年間使用燃料は約23万トン。石炭火力発電と比べ、年間で23万〜30万トンの二酸化炭素を削減でき、将来は周南地域を含む国産の間伐材の活用も視野に入れる。
同事業所は貯蔵施設を活用したアンモニアサプライチェーンの構築にも力を入れており、3月には小型電気自動車を導入した。バイオマス発電所の新設でカーボンニュートラルへの取り組みを加速させる。
三品所長は「中長期的には国産の木質バイオマスを燃料にすることで近隣の林業の復興に貢献し、循環型社会の実現に力を発揮したい。CO2を出さないバイオマスマス発電所がシンボル的な扱いになれば」と話した。
この日の竣工式には社員や工事関係者など60人が参加し、三品所長らによるテープカットがあった。神事では遠石八幡宮の黒神直大宮司が斎主を務めた。
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新設のバイオマス発電所
