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経済 : 周南市のニュース
【周南市】ハモ、タコの加工、販売まで 漁師の合同会社大兵食品 安定した収入確保へ加工場も
経済周南市山口県周南市の合同会社大兵食品(原将明代表社員)は周南、下松、光市の漁業者が獲ったハモ、タコを加工、販売する魚介専門の会社。漁師自らが2021年5月に設立した。販路の開拓から始めて、昨年までは市内の会社に委託していた加工に取り組むため、今年3月には晴海町の水産物市場内に自前の加工場も市、県の補助を受けて完成させた。
会社設立の目的は3点。まず漁業者の収入の安定化。漁師を目指そうとしても不安定な収入で離職する人も少なくない。このため、漁獲から加工、販売まで自分たちで取り組むことで収入を安定させ、雇用の確保を目指す。
2番目に周南地域で水揚げされるハモ、タコの価格の安定、3番目に子ども食堂の支援など地域貢献をあげる。
仕入れ先の漁業者は現在14人。朝早く徳山港に帰ってきた漁船からハモを引き取り、加工場ですぐに加工する。加工場は広さ72平方メートル。急速冷凍機が備えられ、さばいたばかりの新鮮なハモ、タコをすぐに冷凍する。衣をつけるところまで加工したハモカツなども冷凍する。
ハモの漁期は5月から11月、タコも5月から9月が最盛期だが、急速冷凍することで1年中、おいしいまま提供することができ、遠隔地への輸送も可能になった。量販店や道の駅「ソレーネ周南」で販売し、一部は飲食店で使われている。年間のハモの取扱量は25トン。周南地域のハモの6割から7割を引き受けるまでになった。タコも年間5トンを扱う。
原代表(42)は漁師になって10年。加工、販売という新たな仕事への挑戦に「始めてよかった。やりがいがある」と話し、販路の拡大に意欲を見せる。
県漁協徳山市支店の橋本浩二運営委員長(51)も「組合をあげて応援したい」と話して期待している。
量販店、道の駅で販売するほか、ギフト用などに直販もしている。問い合わせは同社(0834-51-5926)へ。
