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【光】光花火大会が中止に 市が補助金をカット
地域光市光市の夏の風物詩で、周南地域を代表するイベントでもある虹ケ浜海岸の光花火大会が今年は開かれないことになりそうだ。財政面で支えてきた市が光観光協会への補助金のうち花火大会分を全額カットしたためで、長い間、市民はもちろん、市外からもたくさんの見物客を集めていた観光イベントが姿を消してしまうかもしれない事態となっている。
光花火大会は同協会とひかり花火大会推進委員会の主催。市からの補助金と同協会が協賛金を集めるなどして開催資金に充てていた。昨年は7月27日に開かれ、2,500発を打ち上げた。白砂青松で知られる海岸から300メートル沖合で打ち上げられ、光の大輪が夜空いっぱいに開いた。
開催場所はJR光駅から徒歩5分。毎回、JR西日本が臨時列車を運行し、そのほか臨時駐車場を用意してシャトルバスで会場と結ぶ大イベントだった。
コロナ禍も乗り越えたが…
しかし、この数年、開催が順調だったわけではない。2018年には7月豪雨で市内に大きな被害が出たため中止。20年から22年までの3年間はコロナ禍で中止。23年に4年ぶりに開催した。
360万円ほどだった市からの補助金は、24年度は光市誕生20周年で550万円に増額。ところが、その決算を元に同協会が試算した結果、25年度に開催するとすればさらに200万円の増額が必要という結果になった。物価、人件費高騰の中、警備費などが増えるという。
同協会からこのことを知らされた市は予算案策定の中で、補助金から約600万円の花火大会開催費用をカットし、同協会の事務局長ら職員の人件費分だけを計上した予算案とした。
市観光協会にとって光花火大会は最大の事業だが、松原真喜雄会長は開催できないことを残念がりながらも「市は今後、どういう形にしていくつもりなのか。協会として協力していきたい、いかないといけない」と前を向こうとしている。
最後の財産も消える?
市内外の人たちの楽しみでもあり、同時にたくさんの市民の理解、協力によって続いてきた花火大会。一度、主催者が中止を決めた場合、再開できるのか不安もある。
周南3市でも以前は周南市の徳山地区や鹿野地区でも花火大会があったが、今では新南陽地区のサンフェスタしんなんようの「ゆめ花火」が残るだけ。永源山から2500発を打ち上げるが、費用は約700万円とサンフェスタしんなんようの経費の半分を占める。市の補助金に支えられているが、今のところ中止の動きはなく、市民の楽しみは今年も続きそうだ。
光市では花火大会だけでなく、虹ケ浜、室積海水浴場の開設期間を通しての来場者も減少傾向。にぎわっていたころは砂浜で連日イベントが開かれ、花火大会もその一つだった。今は海の家も少なくなり、衰退が隠せない。そして今年、当時から残る最後ともいえる市民の財産もこのまま姿を消すことになるのだろうか。
最近の光花火大会 | ||
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2017年 | 8万1千人が来場 | |
2018年 | 7月豪雨で中止 | |
2019年 | 2年ぶり開催 | |
2020年~22年 | コロナ禍で中止 | |
2023年 | 4年ぶり開催、3,000発打ち上げ、5万5千人が来場 | |
2024年 | 光市誕生20周年 2,500発打ち上げ、3万5千人が来場 |
開催費用(市助成分) | ||
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2023年以前 | 360万円 | |
2024年 | 550万円 | |
2025年開催の場合 | 750万円 |
光市観光協会への補助金(当初予算計上) | ||
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2023年度 | 1,869万4千円 | |
2024年度 | 1,910万7千円 | |
2025年度(案) | 1,308万4千円 |