2026年04月16日(木)

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地域 : 下松市のニュース

人口増、産官民連携を弾みに 2期目に挑む国井カラーは? 陰で財政硬直化、地元スーパー廃業

  • 盛況の「道路を走る高速鉄道見学プロジェクト」

  • 下松に初入港した大型クルーズ船

  • 過去最高の人口を示す市役所の表示板

■行政と経済界の連携が奏功

 市制80周年の今年、下松市は昨年のような大きな災害もなく、順調で平穏な1年だったといえる。県内の市町では唯一、人口の微増傾向も続いて過去最多記録を2度も更新。しかしその陰で県内の他市に比べて数値が良好な市の財政は、一方で硬直化が進み、市民の暮らしを支えるスーパーは大手資本の独占の影響で、かつて市内に15店もあった個人経営スーパーは1店舗だけになった年でもあった。

 市制80周年行事のメーンは、約3万5千人の観客を集めた日立製作所笠戸事業所の英国向け高速鉄道車両を陸送する「道路を走る高速鉄道車両公開プロジェクト」だろう。同市初の大型クルーズ客船の入港も成功した。

 両行事は市と下松商工会議所による“産官民〟の大連携が奏功した。これまで手薄だった行政と経済界の連携が“オールくだまつ〟という言葉で表現されるほどになった。

■地域的に均衡ある発展が課題に

 増え続ける市の人口も9月末で過去最多を突破して5万7314人になり、11月末にはさらに記録を塗り替えて5万7350人になった。全国の815市で5番目に安い水道料金や、手厚い子育て支援、地価や家賃の安さが若い世代に魅力になっているようだ。

 このため保育園は待機児童が解消しては増え、解消しては増えるいたちごっこ状態。公集小、中村小、花岡小、末武中は児童数、生徒数の増加に歯止めがかからず、教室不足やグラウンドの狭さが深刻になっている。

 半面、山間部の米川小や、民営の妹背、久保両幼稚園は児童数や園児数の減少から来年3月末で休校、休園になる。市の西部は人口増が続くのに対し、東部や北部、笠戸島は人口減と、不均衡さがあらわになっている。

■問われる財政運営のあり方

 それは商業施設の分布にも比例。市内の全商業面積に占める大型店の占有率は85・5%と全国トップクラスだが、大型店の大半は市の西部に集中。半面、個人経営のスーパーは次々に閉店を余儀なくされ、現在も残るのは旗岡の「スーパーマルエス」だけになった。

 一方、企業進出は順調。来年は鉄道車両製造のスミヨシ下松工場や、山下工業所の新工場が稼働する。その大元は台湾やパナマから鉄道車両製造を大量受注した日立製作所笠戸事業所の好況だ。東洋鋼鈑下松工場、新笠戸ドックも順調な業務を展開している。

 来年は市長選(4月5日告示、12日投票)があるが、1期目の現職の国井益雄氏(70)以外に現在、出馬の動きは見当たらない。

 国井氏は4年間「安全安心と魅力あるまちづくり」を掲げてきたが、事業の大半は国井氏を後継指名した井川成正前市長が敷いたレールを仕上げてきた形だ。2期目に向けて“国井カラー〟をどう打ち出すかが今後求められよう。

 財政も2018年度決算では実質公債費比率が県内13市で最も良好な2・1%である半面、弾力性を示す経常収支比率は96・8%と高止まりが続いており、今後の財政運営のあり方が試される。

    (山上達也)

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