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【山口県下松市】「周南手話教室」が1,000回 日刊新周南に連載20年半
地域下松市田中三千男さん「手話の理解広げたい」
山口県下松市の星古里手話研究会の田中三千男さん(75)の写真と解説で手話を日刊新周南紙上で紹介している「周南手話教室」が8日で1千回を迎えた。2002年1月9日のスタートから20年と半年になり、現在は月曜の3面に掲載。写真には市民が登場し、撮影で手話を体験し、掲載を読むことで手話を知る機会となっている。
「市民の手話への理解を広げたい」と始まった連載。写真はスタートした当時は5枚のこともあったが、その後は毎回4枚。田中さんが制作したテキストから言葉を選び、カメラの前で手を動かして表現する。これに手や指の動きの解説が付く。モデルの役職、氏名も記載している。
田中さんは市社会福祉協議会の職員だった31歳の時、「業務命令」で手話を学んだことが手話との出会い。取り組む中で生きがいとなり、45年間、手話を続けることになった。
この連載が始まった当時は市職員をしながら手話の研究会の会長を務めていた。当時の名称は周南手話研究会だったが、03年に周南市が誕生したことからこの年の9月に、下松市にちなんだ現在の「星古里手話研究会」に変更した。
連載に当たって最も苦労したのがモデル探し。最初は研究会のメンバーから初めたが、間もなく市民に依頼するようになった。最初のころ、カメラはフィルム。36枚撮りのフィルム1本を使い切れるよう、数人を一度に撮影していた。
当時の井川成正市長や職場の先輩でもあった部長、Kビジョン、国民宿舎大城、笠戸島ハイツのスタッフ、県議、下松市以外の人も登場した。その後は周囲の人に次々に依頼して輪を広げた。デジタルカメラの性能が向上して間もなくデータになったが、モデル探しの苦労は変わらなかった。
スタート時から続けてきたスクラップをめくると懐かしい顔や、すでに亡くなった人の顔を見ることができる。
最近、手話に取り組む人が減少傾向だが「難しいものではありません。日常生活の中で使っている手話も多い」と話す。この手話教室も「やめるわけにはいかない」と1千回を機に気持ちを新たにしている。
1,000回目の「周南手話教室」