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【下松】「接客で自信をつけたい」 県内初の「吃音カフェ」旗岡で開催
地域下松市全国の吃音(きつおん)の当事者による社会活動団体「注文に時間がかかるカフェ」による「接客の夢をかなえたい吃音の若者が働くカフェ」が26日、県内では初めて下松市旗岡の旗岡県営住宅第1集会所で開かれ、地元の高校生2人が約40人のお客さんに応対、交流して、吃音のある人たちへの理解を求めた。
100人に1人は吃音者
吃音とは話す内容が頭に浮かんでいても言葉が滑らかに出ないことがある発話障害で、日本では約120万人(約100人に1人)いるといわれる。著名人の吃音者には米バイデン前大統領や故田中角栄元首相らがいる。
「注文に時間がかかるカフェ」は東京在住で自らも吃音者の奥村安莉沙さん(33)を発起人に運営し、これまで全国34カ所で「吃音カフェ」を開いて、接客に挑戦したいという吃音者に機会を提供してきた。このたびは吃音を克服して活動している下松市議会の柳瀬秀明議員(67)=藤光町=の尽力で、山口県内で初めて下松市での開催が決まった。
「中学校の先生目指して頑張りたい」
接客係の徳山高1年の吉田理紗さん(16)は、小学時代に演劇の授業でセリフが吃音のためにうまく言えず、練習不足だと先生に叱られたことがトラウマになってきた。徳山高では弓道部とESS(英会話部)で活動し「将来は中学校の先生になりたい。自身をつけるために接客係に応募した」と話した。
2人は吃音を知らない人にも理解を深めてもらおうと、クイズ形式で話しかけて交流した。奥村さんは「山口県で初めて開けてうれしい。この輪をさらに広げたい」と笑顔を見せ、柳瀬議員も「私も子どものころは吃音で友だちにからかわれ、いじめられたこともあった。吃音カフェの輪が広まることで、吃音者の社会参加を応援したい」と話していた。