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【山口県】「先」って手前?向こう? 高速道路規制表示のあいまいさ
地域その他「先」という言葉ほどあいまいな表現はないのではないか。山口県周南市城ケ丘2丁目の国道2号上にある山陽自動車道の電光掲示板に「徳地から先 冬用タイヤ規制」の表示を見た読者から「先とは上りを指すのか下りを指すのか、さっぱりわからない」と本社に声が寄せられた。広島県広島市安佐南区の西日本高速道路(NEXCO西日本)中国支社に取材した。(山上達也)
ファジーな「先」の意味
「先」には「位置的に前の方」と「時間的に早い方」を指す意味がある。しかし「この先」は「この向こう」という意味だが、例えば「先の橋から渡れ」だと「手前の橋から…」という意味にもなる。
つまり「先」は「向こう」とも「手前」とも解釈できる、ファジーな表現を持つ側面があることになる。
読者「○○方面」など具体的表示希望
問題の山陽自動車道の掲示板は徳山東インターチェンジ(IC)近くの国道2号にあるが、1月29日にはなぜか中国自動車道のICである山口市の徳地ICからの情報が掲示されていた。違う日は「鹿野から先 冬用タイヤ装着」の表示があった。
山陽自動車道と中国自動車道は直線距離でも30キロ以上離れており、両自動車道の接点は山口市の山口ジャンクションしかない。山陽道の掲示板に中国道の道路情報を出す必然性やタイミングは不明で、しかも「先」が広島方面を指すのか、九州方面を指すのかもわからない。
本社に情報を提供した読者は「もっとわかりやすい表示をしてもらえないか。それと山陽道の掲示板なら山陽道の道路情報を優先して表示してほしい」と話していた。
山陽道と中国道の位置関係は把握?
NEXCO西日本中国支社に問い合わせると、まず山陽道の掲示板に中国道の情報を掲示する意図は「山陽道から中国道をご利用いただくお客様の利便性を考慮しました」と回答。しかし「それは現実的ではないのではないか。山陽道と中国道の位置関係はご存知の上ですか」と筆者が指摘すると「お客様の声を参考に検討していきます」と答えた。
さらに「先」の表示も同支社は「規制がある方向を利用者様にお示ししています」と回答。筆者は「それでは“先”という表示が上り、下りのどちらを指すのかわからない」と指摘すると「そのあたりはホームページやテレビ、ラジオのCMでお伝えしています」と答えた。
「運転しながらホームページにアクセスするのは難しい」と言うと「車を安全なところに止めてアクセスしてください」と答えた。
さらに「先」の表示を「広島方面」や「九州方面」のように具体的に地名入りの方向表示に変えられないかとの問題提起には「そのような声を多くのお客様からお聞きしている状況ではないので、変更の考えはありません」と言い切った。読者の指摘はあくまでレアな少数意見としか受け止めていないようだった。
NEXCO回答は「想定問答」範囲内?
同社の回答に一定の誠意は感じたものの「模範回答」や「想定問答」の範囲内とどまり、読者の声を代弁した本社の指摘に真正面から回答したものではないと感じた。
同社はどれだけ利用者の利便性を図ろうとしているのか。利用者の「一人の声」を温かく受け止める度量はないのか、疑問の残る取材だった。
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