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【周南3市】関心高まる見守り必要な高齢者 緊急通報システムに補助 保護へ登録制度
地域その他高齢化に伴い、周南3市でも見守りが必要な高齢者への関心が高まっている。各市の見守りが必要な高齢者の人数はどれぐらいなのか、自宅や散歩中に倒れた場合に備え、どんな対策がとられているのか取材した。
各市とも毎年、民生委員が訪問するなどして実態を調査し、市と民生委員だけでなく、地域包括支援センターや社会福祉協議会と、調査で得られた情報が共有されている。この調査をもとに緊急通報システムの利用支援、持ち物などに貼(は)っておく住所などがわかるシールの配布や民間事業者の協力による見守り活動の充実に取り組んでいることがわかった。
緊急通報システムは「早助」が活躍
3市とも全市民のうち65歳以上の人の割合は30%前後。実態調査では、3市とも70歳以上の独居老人や、75歳以上の高齢者だけの世帯についても、緊急時の連絡先、必要とする福祉サービスなど聞き取っている。その人数は全人口の1割前後になる。
3市とも緊急通報システムが必要な場合、市の補助が利用できる。このシステムは周南市に本社がある周南マリコム㈱の「さすがの早助(さすけ)」。周南市の早助センター山口で24時間、緊急ボタン、相談ボタンを押すだけで緊急時の通報はもちろん、オペレーターに生活サポート、生活相談などができる。ペンダント型の発信器も付いている。月に一度は同センターから安否確認もある。
徘徊する高齢者を保護するために登録
3市とも認知症で徘徊(はいかい)する高齢者を保護する登録制度がある。周南市は「もやい徘徊SOSネットワーク」、下松市は「くだまつ絆ネット」、光市は「ひかり見守りネット」の名称で登録を呼び掛けている。
下松市と光市は当事者が靴やバッグ、杖などに張ることができる、登録番号などを印刷したシールも用意している。
周南市は申し出があった場合、市民に「しゅうなんメールサービス」を通じて捜索の協力を呼びかける。
光市は行方不明が発生し、光警察署より協力要請があった場合は、「ひかり見守りねっと協力機関」へ捜索情報を配信。家族の希望により、メール配信サービスなどを活用して市民に捜索の協力を呼び掛けている。このほか、3市とも民間事業者と協定を結んでいる。
終活情報登録など市独自の事業も
市独自の取り組みもあり、周南市は昨年7月から終活情報登録制度を導入し、病気や事故などの際に警察、消防、医療機関、福祉事務所などから照会があった場合に、事前に登録した情報を開示している。緊急連絡先、かかりつけ医、エンディングノートの保管場所など10項目を登録することができる。
光市ではA4サイズの緊急連絡カードと冷蔵庫などに取り付ける専用のホルダーを希望者に配っている。
一方、課題としては、3市とも高齢化率は横ばいか高まる傾向だが、民生委員などの担い手が少なく、各市とも不安を抱える。
見守りネットワークをどう強化し、最期まで安心して暮らせる地域にしていくのか。情報共有の在り方、高齢者のニーズにどう応えていくのかなど、模索が続いている。
(延安弘行)

