2026年04月21日(火)

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【県】山口の米はどこへ! 農協にも売る米がない?

  • 精米コーナーがある菜さい来んさい!下松店

 地元の農産物や加工品を扱う直売所で米が買えない事態になっている。

 5月17日にプレオープンした下松市西柳のJA山口県の直売所「菜さい来んさい!下松店」。地元の農産物や加工品を求める人たちでにぎわっているが、米のコーナーは米がないこともある。農家から買い取った米や仕入れた米を各店で配分して販売しているが、いつ、どれだけ入るかは不確定な状態が続いている。

 光市束荷の「里の厨」。入荷は週に2、3回。1回30キロを小分けして販売するが、3、4分で売り切れてしまう。何が起こっているのか取材した。

「プライドかけて」

 里の厨は市農業振興拠点施設。農家から持ち込まれた農産物を販売し、米も市外産は扱わない。適正と思われる価格を続けているため割安。同店は「プライドをかけて守っていきたい」と話す。

 昨年は30キロ入りの袋で売っていたが、小分けでの販売に切り替えた。入荷の日時も公表していない。塩田川、島田川水系に育まれたおいしい米。併設のレストランでもこの米を使用している。限られた入荷の中でやりくりを続けている。

収穫は1度、販売は1年間

 菜さい来んさい!下松店の精米コーナーは、精米機が並び、玄米をその場で精米して計り売りするはずだったが、ガラス張りの米びつはすべて空。

 米は生産者から農協などの集荷業者▽精米や袋詰めを担当する卸売業者▽小売店へと流れる。県農協が昨年確保できた米は、事前の契約数量の87%にとどまった。例年も100%には届いていなかったが、昨年はさらに10ポイント下回った。農協以外の業者などに販売したか、農家から個人的な知り合いなどにわたったと推測される。

 農協が集荷した米の大半は全国組織の全農を通じて卸売会社にわたる。一部は農協も販売する。

 米の収穫は一年に一度。卸売会社はこの米を1年かけて精米、袋詰めして小売店に販売する。売り切ってしまうと次の収穫時期まで米がない状態になってしまう。このため、値段を調整しながら販売。下がらない値段は購入を抑制するためでもある。

米高騰表.jpg

秋のオープン、確約できず

 県内では、米の作付面積、収穫量とも減少を続けてきた。農林水産省の作物統計調査によると、2015年に2万500ヘクタールあった主食用作付面積は24年には1万5,800ヘクタール▽収穫量は10万700トンから8万1,100トンに減少。作付は4分の3、収穫量は5分の4になっている。

 今年の秋は高騰の影響で農家の意欲が高まり、前年度を上回る作付で収穫量も増加に転じると見られている。県内産に限らず、米を長期的に適正価格で安定供給するためには農家の収入確保など農政の役割も大きい。

 周南地域での新米の収穫は9月から10月にかけて。JA山口県の担当者は、秋には精米コーナーをオープンさせたいとしながらも「新米がどれだけ集まるかしだいで確約できない」と話している。

(延安弘行)

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