2026年01月10日(土)

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こども110番の家、8校「把握せず」 周南市の小学校 形骸化進む

  • こども110番の家のプレート(本文とは関係ありません)

 周南市の小学校27校のうち3分の1近い8校が「こども110番の家」の設置状況を「把握していない」ことが青少年育成団体、学校、PTA関係者らでつくる市青少年育成市民会議のアンケートで分かった。110番の家は制度化されて約20年がたち、形骸化の進む実態が浮き彫りになった。

 アンケートは4〜5月に27校を対象に実施し、各学区内の110番の家の数、登録している住宅や店を把握しているのかどうかを尋ねた。「把握している」と答えたのは19校で市内に943軒があることが分かった。「把握していない」と回答した8校の校名は明らかにしていない。

 「把握している」19校の中には軒数しか押さえていない学校もあるとみられる。対象の住宅や店が転出して空き家になっていたり、目印のプレートやのぼりがなくなっていたりしているケースがあり、踏み込んで状況把握している学校は一部にとどまるとされる。

 状況把握が不十分だと児童も不案内で、危険な目に遭ってもどこに駆け込めばいいか分からず、判断に迷う。

 市民会議は新潟市で昨年5月に小学2年の女児が下校中に23歳の男に連れ去られて殺害された事件を受けて11月、110番の家の状況把握を図り、児童に知らせるよう各校に依頼した。今回のアンケート結果を見る限り、その依頼が学校側に十分に行き届いていないことが裏付けられた。

 110番の家は1997年の神戸連続児童殺傷事件を機に警察庁の主導で制度化された。子どもが危険な目に遭ったときの「駆け込み寺」として全国に浸透したが、年月の経過とともに形骸化が指摘されている。周南市は現在、110番の家の運営を市民会議が警察から引き継いでいる。

 児童見守隊などの活動が活発な久米小は昨年総点検に乗り出した。学区内にある44軒の中で半数が機能していないことを突き止め、新たに110番の家を引き受けてくれる住宅や店を探し、全体のうち20軒を入れ替えた。

 市民会議は「閉店した商店がリストに掲載されたままになっている地域もあるなど実施主体の取り組みに大きな差がある」と各校に温度差のあることを認めている。中馬好行教育長も昨年9月の市議会で「全市的な把握に至っていない」と不備を自覚している。

 市教委によると、市内の不審者情報は15年度20件、16年度40件、17年度60件と年々増えている。下校中の被害が最も多く全体の5割を占める。今月には川崎市で児童ら20人が死傷する無差別殺傷事件が起き、子どもが事件や事故に巻き込まれる危険性が高まっている。

 市民会議の事務局を務める市教委生涯学習課は18日の小学校校長会で110番の家の状況把握に努めるよう呼び掛けた。「学校と保護者、住民が協力して110番の家の機能を高めたい」と話している。

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