2026年04月20日(月)

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老朽化インフラを衛星監視 松田鉄工所が衛星目印開発 山大、中電技術コンサルタントと共同事業

  • (左から)SAR衛星マーカーを前にする松田社長、長井教授、荒木センター長

 機械部品や化学プラントの部品を手掛ける周南市港町の松田鉄工所(松田充史社長)が、山口大学、中電技術コンサルタント(広島市)と共同で、人工衛星から得られるデータを使った道路や河川、建物などの公共インフラや災害の危険性の監視事業で県のやまぐち産業イノベーション促進補助金の採択を受けた。

 事業期間は2020年7月1日から22年2月28日までで、松田鉄工所は衛星からの電波を受信する目印となる「SAR(サー)衛星マーカー」を製作。

 17日に周南市役所の屋上でマーカー設置第一号のデモンストレーションが開かれ、松田社長と同大大学院創成科学研究科の長井正彦教授、中電技術コンサルタントの荒木義則先進技術センター長が事業概要を説明した。

 SAR衛星は地上に向けて電波を照射し、反射して戻ってきた電波の強さと時間で地表面の特徴を把握する。天候にかかわらず夜でも観測でき、地表の変化は3センチていどまでとらえることができる。

 SAR衛星マーカーは金属製で1辺が50センチほどの三角形。重さは3キロていどで高さを調整できる足が本体を支える。衛星は2週間ごとに同じ軌道に戻ってくるため、固定せず2週間ごとに同じ場所に10分間ほど設置することでデータを取得ができるという。運搬が容易なうえ電源が不要で様々な場所に取り付け可能。

 老朽化した建物、送電線の鉄塔、のり面などに定期的に設置して、位置や高さのわずかなズレをとらえて防災やインフラの早期メンテナンスに役立てる。

 事業で使うのは欧州宇宙機構が開発したSAR衛星の観測データで、山大が無償で手に入れて解析する。中電技術コンサルタントは解析結果を元にインフラや地表の変動を推定、監視するシステムを手掛ける。松田鉄工所は、SAR衛星マーカーのコストを今後1台で10万円以下とすることを目指すとしていて、低価格で広範囲に設置できる点を生かし、ため池やダムの水位監視などへの応用も視野に入れる。

 年内には周南市内の通行止めの橋や山の斜面など30カ所に設置して実証実験を進める予定で、松田社長は「これからも新しい事業分野に積極的にチャレンジしていきたい」と話した。

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