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地域 : 周南市のニュース
【周南市】部活動の地域移行 平日、周南市が県内でも先行
地域周南市2026年に中学部活は姿消す
山口県周南市で部活動の地域移行の準備が県内の他市町に先行する形で進んでいる。しかもまず休日の地域移行からという方向の市町が多い中、周南市は平日も含めて移行し、2026年の全面移行後は中学校から部活がなくなり、子どもたちは新設の「周南市地域クラブ」に登録した団体などの活動に参加することになる。11月には移行に向けた体験会も計画されている。
同市の中学校は休校中を除いて13校あるが、小規模校も多い。全体の生徒数も1986年には8660人だったが、2023年度は3400人と半数以下。10年度から23年度までだけで650人減少し、20もの運動部が廃部になり、3競技以下から選択しなければならない学校が8校になっている。
このため、10月中に公表する予定の「周南市地域クラブに係る方針」の案では、基本方針に「やってみたい」、市内すべての中学生の「やってみたい」に応えられる環境づくり▽「多様性」、多様な地域で、多様な世代とともに、多様な文化芸術・スポーツ活動等への参加が可能な環境づくり▽「地域の居場所」、中学生の居場所のひとつとなる環境づくりの3点を掲げている。
その実現のため、「周南地域クラブ」には、活動の実施主体となる総合スポーツクラブやスポーツ少年団、競技団体、クラブチーム、大学やNPO法人などの団体に登録を求める。
地域クラブの事務局として、市文化振興財団内に文化芸術推進センター(仮称)、市体育協会内にスポーツ活動推進センター(仮称)を設置する。
23年度から25年度までが改革期間で、26年度の完全実施を目指す。ただし、来春、中学生になる子どもたちが中学3年になった時の最後の大会、発表会までは部活動を実状に応じて継続するとしている。
競技によっては学校単位以外の出場も認められるようになり、今年9月の新チームになった最初の大会の「周南市中学校新人体育大会」のバレーボールやソフトテニスではすでにクラブチームが出場した。
11日~・3校で活動体験会
この動きの中、地域移行後の活動がどうなるのか、体験実証事業の「スポーツ・文化活動体験会」が11月11日(土)に須々万中▽19日(日)に鹿野中▽25日(土)に熊毛中で、いずれも午前9時から11時半まで開かれる。
主催は市体育協会内のスポーツ活動推進センター(仮称)。
須々万中では藤谷真夕さんの「スポーツリズムトレーニング」のあと、アイスホッケー、ダンス、モルック、ゲーム開発のプログラミングの体験▽鹿野中は高菅徹さんの「能力底上げのための身体づくり」のあとバドミントン、ダンス、モルック、プログラミングの体験▽熊毛中では岩倉勇太さんの「体操を教えない体操教室」のあとソフトボール、ダンス、モルック、プログラミングの体験ができる。
保護者、地域の人も参加でき、参加料は1日、1人500円。問い合わせ先は市体育協会(0834-28-0006)。
[参加申し込み]
体験の指導団体にはすでに中学生を受け入れている団体、受け入れていない団体があるが「中学生にとって興味を持てる内容にした」と話している。
県「まず休日から」
活動はスポーツ部門が一歩先んずる形で、文化部門は、子どもたちのニーズと受け入れる文化芸術団体を調査中。部員数が多く、学校所有の楽器を使用している吹奏楽部は現在活動している学校を拠点に活動を続けることができないか、学校に検討を求めている。
県教委は近く示す方針のための素案では「平日の地域移行は地域の実情に応じてできるところから取り組む」という表現にとどまる。光市教委は休日の移行の進み具合をみながら平日の移行を進め、下松市教委も県の方針を踏まえ、市長部局の地域交流課とともに方針をまとめることにしている段階。これらに先行した周南市の今後が注目される。
(延安弘行)