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政治 : 周南市のニュース
「提案まで短期間は承知」 周南緑地PFI導入で説明会 20社50人や市議出席
政治周南市山口県周南市は13日、周南緑地公園のPFI事業の実施方針と要求水準書案などの説明会をキリンビバレッジ周南総合スポーツセンターのカルチャールームで開いた。参加した約20社の約50人は文化スポーツ課の担当職員から説明を聞き、現地見学会では同公園を見て歩いた。
この事業は周南緑地公園の中央緑地、東緑地のスポーツ施設の整備と2023年度から19年間の維持管理・運営を一括して、民間の事業者に委ねるもの。施設整備は、25メートルプールのある屋内水泳場の新設▽全天候型舗装のトラックとする陸上競技場整備▽人工芝にするサッカー場整備などを含んでいる。
事業費は整備事業費と維持管理運営経費を合わせて98億7,100万円。PFI方式の導入によって、民間の資金の利用による市の財政負担の平準化▽民間事業者のノウハウを生かしたサービスの向上▽改修期間の短縮、省エネを含む最新技術の活用などを期待し、国から19億円の補助金も見込んでいる。
説明会では、同市のまちづくりや周南緑地の歴史、4月に公表した「周南緑地基本計画」の改訂版に続き、9日に公表したPFI事業の「実施方針」と、事業内容を具体的に記述した要求水準書案を説明した。
実施方針は事業の内容、施設整備のスケジュール、評価の方法など。施設整備は2023年度に設計して6年度から8年度まで3年間で、1期から3期までに分けて取り組む。
事業者を審査する評価委員も公表している。委員は8人で、市役所内から末永和宏地域振興部長、高瀬文三郎都市整備部長、川口洋司企画部長、高木一義財政部長と、外部からは地域総合整備財団開発振興部の岡田正幸開発振興課長▽市体育協会の黒神直大会長▽東京都立大都市環境科学研究科建築学域の小泉雅生教授▽山口ゆめ花博活性化委員会の三由野(みよし・なお)理事が入っている。
新エネルギー導入の期待も
要求水準書案は特徴的なことを説明。現在、体育施設を管理・運営している市体育協会はPFI導入後も、年間を通じた利用調整や大会運営補助などを担当し、設計・建設、管理、運営会社で構成する事業者に、市を加えた3者で連携してサービスを提供すると説明した。
新水泳場は20キロワット以上の太陽光発電システムを設置し、そのほかにも新エネルギー設備の導入も積極的な提案を期待していることや、民間事業者との役割分担のため、会員制の導入などはできないことも強調した。
今後は、市議会6月定例会に必要な予算を19年間の債務負担行為として提案する。可決された場合は6月下旬にも入札公告と入札説明書などを交付する。参加事業者からの提案内容の事前説明を経て10月中旬に入札と提案の書類を受け付ける。プレゼンテーションを経て12月に落札者を決定し、3月の事業契約議決と契約を目指している。
6月下旬の公告から10月中旬の提案書類の提出まで、4カ月足らず。市の担当者は説明の中で「提案までの期間が短いことは承知している。しっかりと情報を発信していきたい」と理解を求めた。会場には数人の市議も訪れて説明の様子を見守り、関心の高さを印象づけた。
