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【周南市】市職員320万円着服、懲戒免職 市民センターのコミュニティ団体資金
政治周南市周南市の市民センターに勤務する20代の男性職員が、事務局として管理しているコミュニティ団体の資金の預貯金口座から不正に現金を引き出して着服し、借金返済など私的に流用したことがわかった。市はこの職員を6日付で懲戒免職にして、7日に藤井律子市長、重國浩之総務部長、上野貴史地域振興部長が記者会見して説明した。
市長、辞任は否定
記者会見で藤井市長は「言語道断。あってはならないこと。信頼を損なうことであり責任を痛感している。全職員一丸となって再発防止に努める」と述べ、頭を下げて謝罪した。
藤井市長は6年前の市長選で、職員に大きな不正があった場合に辞任すると訴えていたことから今回の事件への対応を問われたが「官製談合が発覚していたことからその根絶という意味で申し上げた」と述べ、辞任の考えは示さなかった。
コミュニティ団体は職員が流用したと見られる319万3561円をすでに全額返済していることや、懲戒処分による制裁などを考慮し、被害届などは提出しないことにしているという。
昨年12月まで2年以上続いた不正
説明によると、発覚のきっかけは1月17日に県市民税を市民センターで現金で納付したのに督促状が届いたという市民からの問い合わせ。市は納付先の市民センター内の現金の取り扱いを調べたところ納付された現金が見つかった。
この調査で21日に本庁から応援に来た職員がコミュニティ団体の預金通帳の残高が不足していることを見つけ、職員に聞き取りをして不正流用がわかった。
職員は2022年4月に市民センターに着任し、コミュニティ団体の事務局を職務として担当。預貯金の通帳5通と印鑑などを1人で管理していた。不正流用したと見られる引き出しは22年夏に始まり、24年12月まで続いた。
不正流用の正確な金額や時期は明確にならなかったが、決算書と通帳の残高の差額を不正に引き出された金額として職員が2月21日までに返還した。
市は職員が特定されると被害団体もわかることもあって職員名は公表していない。職員を懲戒免職したほか、市民センター所長の50代の職員(課長補佐級)を減給10分の1、1カ月と処分とした。
市はこの職員がどこの市民センターに勤務していたかは明らかにしなかった。
2年間で3件目、資金めぐる不祥事
同市は31地区すべてにコミュニティ団体があり、市民センターが事務局を引き受けている団体はこのほかにもあるが、市としてその団体数や管理している資金の金額は不明という。これまで関係規定の整備も十分ではない。
このため、市は再発防止に向け、実態を調査し、規定の整備、職員研修の充実、監査委員による監査とその結果を踏まえた業務改善に取り組む。
同市ではこの2年の間に、いずれも藤井市長が理事長の外郭団体の市ふるさと振興財団で職員が市民団体の資金を着服▽市文化振興財団職員が財団の資金から約1億5千万円を横領する事件が発生。このため、市の外郭団体と指定管理団体への監査を依頼したが、市民センターが事務局のコミュニティ団体は監査対象に含まれていなかった。