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政治 : 周南市のニュース
[周南市議会]「野犬のまち」から「いないまちへ」 市、捕獲件数激減を報告
政治周南市周南市議会は環境建設委員会(山本真吾委員長)を18日に開き、野犬対策に関する所管事務調査を実施し、野犬の目撃情報や捕獲数が大幅に減っていることがわかった。
同市で2019年7月に県が設置した「周南地域の野犬対策に関する連絡協議会」を軸に、県・市・警察・地域が連携。野犬の捕獲やエサやり禁止パトロール、公園の管理強化など様々な対策に取り組んできた。
6年間で捕獲数は5分の1以下に
この日は環境生活部からこれまでの取り組みとその成果の報告があった。
19年度の市内全域の捕獲数は成犬と子犬合わせて841頭だったが、24年度には156頭になった。電話・メール・通報アプリ全ての通報件数は20年度の1,125件から、24年度には575件に減少した。
職員によるパトロールで比較的捕まえやすい子犬を保護、むやみなエサやりを防止することで繁殖を防ぎ、野犬が減少してきたと見ている。
被害も大幅に減少
野犬による被害は20年度には「囲まれ・追われ」が39件、「車や畑など」が10件、「咬傷事件」が5件、「ペットなどの被害」が2件の合計56件の被害があったが、24年度には「囲まれ・追われ」の8件のみ。通報アプリからの申告のため詳細はわからないが大事には至っていない。
動物愛護活動に補助
同市では「周南市=野犬、捕獲、殺処分」といったイメージが市内外で広まっていることを課題視。実際には捕獲された野犬は動物愛護活動に取り組む個人や団体の協力で譲渡しているという。
市内で捕獲・保護され、保健所に収容されている成犬を新たな飼い主に譲渡する団体には1件につき1万円を補助。譲渡する保護犬、保護猫の不妊去勢手術に1件1万円を補助する制度も拡充した。
イメージ回復のPRを
一連の報告を受け、島津幸男議員(幸友会)は「せっかくこれだけの成果が出ているのに、アピールしないと一度ついた印象は消せない」、西尾孝夫議員(市民の会)は「SNSでは間違った情報が流れている。正しい情報や数値の公表が重要」と指摘。事務局は動物愛護の取り組みも含めた発信を検討するとした。
◇ ◇
田内正彦環境政策課長は「市民や関係者の協力のおかげで、具体的な数字はわからないが減ってきている」と感謝し、「“野犬のまち”から、“野犬のいないまち”に、今後も取り組んでいきたい」と述べた。
一方、事務局によるとエサやりの現場には県外ナンバーの車が停まっていることがあり、かわいそうだと同市までエサをやりにくる人もいるという。