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トイレで食事?毛染め?洗髪? ランチメイト症候群の影響か 集団の中で孤独恐れる心理増幅
記者レポートその他トイレで食事?――誰もが首をかしげる現象が周南地域でも起きつつある。3市のドラッグストアを中心に「トイレで飲食禁止」の張り紙が目立ち始めた中、誰がトイレで食事をしているのか〝便所飯〟の実態に迫ってみた。 (山上達也)
[ドラッグストア「全国一斉に掲示」]
「トイレ内での飲食は禁止となっております」の張り紙に驚く人も多いだろう。下松市内のドラックストアの店員は「この店でトイレ内飲食があったということではなく、全国的に増えてきているので、本社の指示で全国の店舗で一斉に掲示している」という。
しかし別のドラッグストアの店員は「障害者用のトイレから弁当がらや空のペットボトルを持った人が出てきたことがあった。外見だけでは判断できないが、障害者用トイレしか使えない人には見えなかった」と話す。実態はどうなのだろう。
[「安心して食事できる」がトイレの魅力?]
本紙が取材した山口市の精神科医は「ランチメイト症候群」の症状がある人がトイレの中で好んで食事をしていると分析。学校や職場で一緒に食事をする相手(ランチメイト)がいないことに恐怖を覚える症状で「友人がいないから一人で食事をするしかなく、そんな自分は他人から見て魅力がない。だから一人で食事をすれば、周囲は自分を魅力も価値もない人間と思うだろう」という悪循環的思考に陥ると見られる。
だから内側から施錠すれば誰の干渉の心配もないトイレで食事をする。精神科医は「これほど安全、安心な場所はないのだろう。自分自身がどう見られているかを気に病む人が確実に増えている」と指摘する。
高齢者や中高生など車を持たない人が便所飯を実行している可能性も大きい。車を持っている人なら車内で人知れずに食事ができるからだ。
[清潔感向上が「食事しやすさ」に?]
しかしトイレは排せつの場所で、本来は食事をするところではない。臭くて不潔ならともかく、最近のトイレは清潔感が向上し、店舗のトイレは従業員の清掃が行き届き、便所飯を実行するには格好の場所なのだろう。
しかもトイレは便所飯だけでなく、県外のケースだが「トイレ内では洗髪、毛染めを禁止します」の表示も出始めて〝多目的化〟する傾向があるという。
これも便所飯と同じ考え方で「誰にも見られずに毛染めができる」「寝坊して洗うのを忘れた髪が洗える」という心理らしい。しかし毛染めも洗髪も流し台の排水が詰まったり、床が汚れる原因を作る迷惑行為。店側にとってたまったものではないだろう。
周南市の中央図書館では3年ほど前、トイレの手洗い場で髪の毛を切る人がいて床まで髪の毛が散らばっていたことが数回あり「髪を切らないでください」の張り紙を張り出している。
排せつ行為に使おうとする本来のトイレ利用者にとって、食事や洗髪、毛染めでトイレが長時間占用されるのは大迷惑だ。
ドラッグストアの店員は「店のトイレはみんなのもの。トイレ本来の利用法を守ってほしい」と話すが、精神科医は「集団の中で孤立する心理を恐れる人は今後も増えるのではないか。社会の病理として真正面から考える必要性が増すだろう」と指摘する。
