2026年04月30日(木)

コラム「一言進言」

オリンピック精神は日本では無理?

~自民党県議団で女性は1人だけ~

■ 1998年、当時の二井関成知事は山口県初の女性副知事を迎えた。「現代好色5人女」と言う小説も書いた女性、大泉博子さん(71)だった。東大出身でユニセフや政府の役人を歴任してきたキャリア豊富なやり手だった。そのころ県庁にもしばしば出入りしていたので彼女と話す機会も何度かあった。初対面でいきなり「なぜ山口県はこんなに後れているの?」と聞かれた。専業主婦の割合がこんなに多い県はだめだ、と彼女は熱く語っていた。社会参加する女性の少なさに驚いていたのだ。

■ その後大泉さんは、山口県で2回国政選挙に出馬、落選した。驚いたのは、次に茨城県で見事当選を果たしたと知った時だ。しかし、その次は落選、今度はつくば市の市長選にチャレンジ、これも惨敗した。何ともバイタリティーあふれた女性だ。20年前、山口県のような完全な男社会の中では、彼女のような存在は受け入れてくれる余地はなかったろう。

■ 森喜朗さんの発言で、今やマスコミは上や下への大騒動だ。「性差別」発言は、今は流行語だ。山口県の中年以上の男性のほとんどが驚いただろう。日頃自分たちが平気でしゃべっていた内容でこれほど世界中からもバッシングを受けるなんて。先日、食事をしていたら、隣の年配夫婦の会話が耳に入ってきた。「ねえ?なんで森さんの言うたことにあんなに騒ぐん?」「それいのう、わしもわからんにいや」。これが山口県の一般的な会話なんだろうか。

■ かつて、山口県は弘兼憲史の漫画「課長島耕作」を採用、株式会社山口県の代表取締役を島耕作とした。聞いたときは耳を疑ったが、県のえらいさん達は自慢げに発表の場に並んでいた。「課長島耕作」は数々の女性を踏み台にして出世した男性の漫画だ。案の定、観光客は一向に増えず、掛けた大金を数年後には水に流した。

■ 今もそうだが、何十人もいる自民党県議の中で唯一ひとりだけの女性議員だった藤井律子周南市長は、「なんで女性の敵のような主人公を社長にするのか」と注文付けたが、男性県議たちは一応にニヤっとしただけで、とりあう県議も、役人も現れることはなかった。聞くと議事録からも削除されたという。

■ これが山口県の実体だ。未だに、数多い自民党県議団の中で女性議員は1人だけ。周南3市で保守系市議の中、女性議員は何人いるだろうか。森喜朗さんも世間から叱られて、「なんで?」と思ったに違いない。コミュニティー組織のトップ、安全協会や、体育協会、実に地域でも多くの団体、組織があるが女性のトップは何人いるだろうか。日本でオリンピック精神を広げるのは至難の業だ。

(中島 

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