2026年10月30日(金)

コラム「一言進言」

第2の北里柴三郎は出ないか

〜自前の治療薬、ワクチンを〜

■ 「週末はかなりの人が来ますよ」。東京で飲食店を経営する知人の声は思いのほか明るかった。「個人でやっている小さな店はウハウハですよ」と。非常事態宣言下での支援金は一日4万円から5万円出るから「もっと宣言を続けて欲しいなんか言ってる店主もいますよ」と歯止めのきかない状況を話す。「自粛、自粛と外に出てこない田舎がかわいそうですよ」

■ 先週初めの会話だったが、山口県も時短要請が出て、お酒の提供も午後7時までとなった。合わせて支援金も出ることになった。都会でほとんど効果が無かったが、地方ではどうなるか。自粛に疲弊した人たちはどうしても一定程度いるようだ。感染して初めて恐怖するが、時すでに遅し、死に至る人もいる。山口県では今回やはり2回接種した人の感染率は極めて低く、感染者全体の6.6%だった。

■ 菅内閣はえらく評判を落としている。世論調査はあまり当てにならないが、軒並み不支持率が高い。ここ山口県ではどんな選挙になるのかも興味深い。現在野党の国会議員がゼロの保守王国だが、久しぶりの野党議員が誕生するか、コロナ対策への不満は頂点に達している。支援金も飲食店が中心で、その周辺の業者には限定的だ。3割以上の減収が対象だと言うが、3割売上が落ちたら持ちこたえられない会社が多い。維持しているのは借入が比較的できたからだ。

■ 先が見えない戦争をしている状態だが、今の我が国の施策は目の前のハエを払うだけにしか見えない。GOTOトラベルには1兆何千億円ものお金を注いだが、ワクチン開発費には数百億円と米国の10分の1以下だと聞く。世界の研究者にこうも劣っていたかと愕然とする。あれだけノーベル賞を取った学者がいるのが誇りだったが、一体我が国の行く末はと不安に思うのは私一人ではあるまい。

■ 先が見えない中、今感染者が出ても不安から抜け出せるのは、我が国自前の治療薬やワクチンを開発する力を見せることが一番だ。ウイルスは変異するとわかったが、今後どんな変異するか誰も予想できない。

■ でも対応できる研究開発能力があることが信じられればいささか安心だ。1年半も経過して、我が国の研究過程が一切報じられないのはどうしてなのか。日本に第2の北里柴三郎は出てこないのか。お金を使わないからなのか。来年はガンマー株になるのだろうか。

(中島 進)

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