コラム「一言進言」
顔の見えない行政に?
〜市民と心でつなごう〜
■私は行政に対して常に憎まれ口を書くから敬遠する行政マンは多い。しかし、中にはいろいろなことで話ができる行政マンも多かった。光市の末岡泰義前市長は課長時代から話ができる一人だった。前向きな職員で、いろんなことに熱心に取り組んでいた。旧徳山市でも小川亮元市長時代は、私や私の仲間の様々な分野の経営者や医者などと作っていた「論壇会」に参加する行政マンもいた。彼は自費でアメリカを旅して港の研究をした成果で、後に旧徳山市のトライアングル構想を作成した。
■周南市になっても、当時幹部だったO氏は、退職後も私たちの仲間だった。須金の金峰神社の宮司に誘われ「星まつり」に仲間で参加した。夜、地元の人たちから接待を受けたが、O氏は打ち解けて中山間地域の道を話題に話していた。地元の人と獣道のような道まで、語り合っているのに驚いた。聞くと彼は「公務員になったんだから道を知っておかないと」と、休日には山に入り、ほとんどの旧徳山市の道を歩いたという。恐れ入った。
■官民連携、官民協働と口では言うが、特に所帯がマンモス化した周南市は実践しているとは言い難い。もちろん積極的に一般市民との交流をしている職員も知っているが、合併前の状況とはかなり異質になってきた。今回の駅前周辺、中心市街地の業者丸投げ案がそうだし、2年前の特別定額給付金の業務を県外業者に丸投げしたこともそうだ。市民とだけでなく、庁内の連携も不足しているのが見え見えだ。
■常日頃から、市民の中で語り合い、一緒に活動しているか、行政マンの意識を育てるのも大きな行政サービスだ。市民の気持ちと通じ合っているか、もう一度全職員を対象に検証すべき時だ。行政が万能でないことは市民も承知している。クレーマー的な市民もいることは承知しているが、それを乗り越えるのも普通の市民と力を合わせることしかない。
■地方公務員になった以上、自分の自治会活動、地域の活動に参加して、まず足元の状況を勉強すべきだ。周南市も中山間地域の活動は、ふるさと振興財団に頼りきっていないか。文化活動は文化振興財団、文化協会に丸投げしてないか。行政の役割をもっと明確にすべき時だ。
■中心市街地のすべての施設の運営を丸投げするが、果たしてそれでいいのか、全庁的にも議論すべき案件だ。大切なのは行政マンと市民の心をつなげていくことだ。合併から20年、顔の見えない行政は町を衰退させる。
(中島 進)
