2026年10月30日(金)

コラム「一言進言」

「賛成する人は誰もいないだから賛成できない」

〜行政も議会も市民の声を聞こう!〜

■「(私の周囲に)誰も賛成している人がいないのに賛成するわけにはいかない」―周南市議会で吉安新太議員(志高会)は反対の理由をはっきりと述べ、日本共産党以外の議員でただ1人反対した。周南緑地整備のPFI事業を進める予算案の採決の場面だ。この前代未聞の19年間もの長きにわたって緑地内のスポーツ施設などの運営管理を業者にまかせるための議案だったが、他の議員は付帯決議を付けるのが精いっぱいの抵抗で、中には賛同しているかのような意見すら出た。

■今回は市の職員も苦労しただろう。事案の説明するのが精いっぱいで、これが周南市にとって最上の方策だとの信念を持っているとは到底思えなかった。決まった案件だからと押し付けられた感があった。だから納得させることができなかった。願えば欲しい施設はいくらでもある。今市民が最も欲しいのは小ホールだろう。1万5千人もの署名が集まった小ホール建設は多くの団体、市民が渇望している。ちょっとした公演、集まり、講演会など、市民はこぞって署名した。

■市内に3カ所もある民間の屋内プールもコロナで閑散としている。民営圧迫ともいえる屋内プールを新たに建設するために、県内でも卓越した活動をしてきた周南市体育協会を外すことを選んだ。誰が喜んでいるのだろうか。補助金はもらうものではなく獲得するものだとの気概はどこに行ったのだろうか。

■陸上競技場の改修も、そこそこの補助金は取れるだろう。同じ行政の仲間のボートレース徳山は昨年から30億円も稼ぎ出している。聞くと今年度もかなり稼げるという。周南市としては当てにしていなかったお金だ。半分でも回せば、通常の補助金獲得で事業は進めるはずだ。ここまで頑張って稼いできたボートレース徳山のトップはなぜか任期を1年残して去って行った。

■中心市街地の官民連携事業はもっとお粗末だった。徳山駅前の広場や公園の使用の許認可権を、周南市民とはまったく縁もゆかりもない業者に与える可能性が大だ。多くの団体や、個人の市民活動家と市との接点を、行政側が放棄する事業だ。法律的に違法だと言える中心市街地活性化協議会を無視しての蛮行に、関係する人たちからどれだけ疑問の声が上がったことか。

■行政の施策には必ずと言って賛否がある。当然で、議会が真二つに分かれることもよくある。しかし40年もの間、地方紙を発行してきて、今回のこの2件ほど市民から賛同の声が全くと言っていいほど聞かれなかったことは初めてだ。吉安市議の反対の弁ほど、私の腑に落ちた弁は過去になかった。市民の声を聞く行政、議会でなくては、周南市は良くはならない。

(中島 進)

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