2024年12月11日(水)

コラム「一言進言」

納得できる説明必要 期待にどう応えるか

〜再開発追加補助金申請へ〜

周南市の徳山駅前再開発には市民の期待も大きい。早くも西側の本町当たりの地価も微小だが値上がりした。徳山商工会議所も山口銀行も移転し、工事も本格的になっている。

衰退の一途をたどってきた旧徳山市の中心市街地だけに、期待と冷めた目があるのは当然だ。土曜日、日曜日にはすっかり人が通らず、過去を知る者には寂しさだけを感じる街になった。

来年秋の開業を控えて期待はふくらむばかりだ。その中で、今回再開発組合から、資材の高騰を受けて当初からすると10億円の増額となった事業費に援助をと、周南市に追加補助の要請が出された。

しかし、市議の中には「民間事業だからとちゃんとした答弁をしなかったのに、補助金追加するなら全容を詳しく説明すべきだ」と怒りの声も聞く。また「地権者は多額のお金をもらうのに、市民の税金を使って、足りないから補助するのはおかしい」との声もある。

開業1年前だというのに、ホテルの運営会社は近く公表するそうだが、確かに核テナントも発表がない。「果たして成功するのだろうか」との声も市民の中で少なからずあるのは間違いない。補助金は市民の血税だ。組合も、もっと信頼できる情報発信をすべきだろう。

ちなみに下関市の唐戸商店街では面白い事業が始まっている。元衆院議員の杉村太蔵氏が代表の会社が進出し、「唐戸Harete」という創業支援型の商業施設が来夏に完成予定だ。出店募集説明会には400名もの応募者があったが、その中から約20店を選んで開店させる。

北海道旭川市ではすでに開業している形態だが、起業を促進するため「敷金・礼金・保証金不要」「標準厨房機器すべて提供」などの条件で、売り上げも一定の基準を下回ると撤退させるユニークなものだ。

全国の地方都市共通の課題だが、各地の商店街の空洞化は切実だ。様々な取り組みをするが成功例は少ない。物販は軒並み苦戦して、かろうじて客を維持しているのは飲食に特化したゾーンが多い。果たして今回の再開発は何を目玉とするのだろうか。

補助金も議会では多少問題になるだろうが、ここまで進んできた事業だけに、否決はされないだろう。しかし、テーマは市民の多くが賛同して、応援できる施設ができるかどうかだ。

(中島 

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