コラム「一言進言」
選挙満載の光市民
~良く見て、聞いて投票を~
■ 石破茂さんが首相に選ばれて、良かったのか、悪かったのか、感想を聞かれてはっきりと答えられる人は少ないのではないか。自民党総裁選挙中、衆院の解散総選挙は予算委員会を開いてじっくり新内閣の意見を聞いてもらってからと言っていたのが彼の個性だと思っていたら、突然すぐに解散、10月27日に投票だと宣言した。
■ 人の個性は、とりわけベテラン政治家の個性はそんなに変化しないと思っていたが、これほど見事に変化した人は近年珍しい。言っていたことをわずか数日で覆すなど、政治家としては最悪だ。裏金問題を起こした候補者は公認しないと突然言い出すなど混迷は増している。しかも総理大臣だ。政治家不信は極まる。それでなくても政治不信は頂点に達するのではと思えるほどひどくなっているのに、また人々は投票に行かなくなるのではと危惧する。
■ 光市は市長選、市議選もある。投開票作業は大変だと本紙も取り上げた。8年前の市議選の投票率は58%余りだった。4年前の市長選、市議選は63%余りで3市の中では良いほうだった。21年の衆議院選挙は53.5%だった。さて今回の選挙で光市民はどの選挙に興味を一番持って投票に行くのだろうか。
■ 衆院選も微妙だ。今回だけは「自公は嫌だ」という市民は、自公推薦の市長候補にどんな感情を持つのだろうか。市議選では党派色は薄いので選び方は千差万別だろう。果たして自民党への逆風は、保守王国山口県でどんな風になっているのだろうか。統一教会、裏金問題など徹底した政治不信を目のあたりにして一般庶民の感性がどう動くのか、興味は沸く。
■ 地方政治は別物だといわれる。確かに市長の人間性、好みで地方政治は動く。しかし、国が決めたこと、国が勧める方策を取らないと補助金がもらえないシステムは健在だ。地方の市長が自分のやりたいことをやりたいようにするには自前の財源がいる。国の方針の中であれこれ考えないと多くが実現不可能だ。
■ 周南市の場合それが顕著に表れてきた。周南緑地のPFI事業、街中のPPP事業、中心地への国の機関集約事業、などなど独自に欲しい施設の補助金獲得のため市民活動の制約も我慢してきた。みんな国の指示に従うからだ。石破首相は昔、地方創生大臣だった。どうやって地方創生をしていくのか、いまだ確かな道筋は描かれていない。
■ 市長、市議会が独自のプランで地域を変えていくのは難しい。しかし、全国の地方自治体の中には、国の方針に逆らって独自の道を歩もうとするところも多く現れた。市民の皆さんには候補者一人ひとりの主張を聞いて、誰が未来を作り出す可能性があるか、是非投票所に出向いてほしいものだ。
(中島 進)
