コラム「一言進言」
キュウリ栽培で時給80円?
〜貧乏人は古米を食べろ!〜
■ 令和のコメ騒動は止まる様子がない。貧しい国民は「古・古・古・古・米」を食べれば良いとまでになった。お米でこれほど貧富の差を感じさせるのに躊躇しない政治家たちの感性に驚くばかりだ。元来農産物はどれだけ新鮮かが命だ。テレビでは政治家たちが古米を食べて「おいしい!新米と変わらない」と叫んでいる。国民をこれほどまで侮辱したのは類を見ない。
■ 古米より新米がおいしいのはみんな知っている。「コシヒカリ」が普通のお米よりおいしいのは誰もが知っている。高くて買えないから「銘柄米」を食べないだけだ。全国の農家が最近は「コシヒカリ」などの品種に生産を変えてきた。鹿野でも「鹿野のコシヒカリ」として販売している。
■ 農協悪者説が大きくなっている。確かに過去ひどい時期があった。しかし中須の農家に聞くとやはり農協がないと集荷など困ると多くの人が言っている。昔は農協の幹部は金もうけに走り、ここ山口県ではゴルフ場まで作って楽しんでいた。農協が自民党の主要な組織であった時代だ。
■ 小川市長時代、旧徳山市は年間5000万円の基金を作り、市場価格が低落した場合の農家への援助資金としていた。当時、徳山大学のある教授に野菜を生産する農家の時給換算をしてもらったことがある。キュウリなどの生産者の時給は80円から90円程度だった。専業農家ではとても生活できる状態ではなかったのを鮮明に覚えている。
■ 米つくりは特に大規模農家と、周南地区のような小さな田んぼで作っている農家では比較にはならない。単純にお米が高い安いと語れない。日本の農家の実態は実に多様だ。地方の農業者を守るにはよほど優秀な営農指導者がいないと守れまい。市の農林課の話では今山口県はイチゴやトマトの生産者には補助金を出す仕組みだという。
■ 消費者の立場と、生産者の立場が共存できる農業政策を考えないとこの国の農業は守れまい。無農薬の有機野菜は高い。しかし、私の経験から確かに体には相当に良い。消費者が学ぶことも大事だ。地物のアジは1匹150円も200円もする。しかし、冷凍ものと比べようもなく美味しい。お米と比較すればお米の安いことに感動する。
■ 現在の農業問題の解決策は難しい方程式だ。結局は1億総豊かになれば解決する。今までの政治の無策が浮き彫りになった。
(中島 進)
