コラム「一言進言」
殺人兵器輸出を止めよ!
〜女性、子どもの命を奪うな!〜
■我が国では、京都で11歳の男子が行方不明になり、ついに遺体で見つかった事件が連日ワイドショーなどでも取り上げられ、日本中で「可哀そう」の声が充満した。子ども一人の犠牲にも人々は敏感に反応する。
■ガザでは7万人を超える人が亡くなり、その多くは子どもや女性が殺された。ウクライナでは今も連日ミサイルが撃ち込まれ、子どもたちが殺されている。ウクライナに打ち込まれたロシアのミサイルに日本製の部品が使われていると新聞の片隅に掲載されたこともあった。そして、イランでは小学校にミサイルが撃ち込まれ、160人以上の子どもが一度に殺された。しかし、我が国の人々はさほど関心を持たなかったようだ。
■このたび、国が殺傷能力ある武器を世界中で販売することが、わずか10数人の閣議で決められた。閣僚たちには世界中で死んでいく、殺されている子どもたちの姿は想像できないようだ。我が国の平和憲法は世界で胸を張れる憲法だと自慢してきた。確かに国際社会はひどく、自衛のための軍備増強は致し方ない部分もある。だが殺人兵器を売って金もうけすることは別次元だ。
■我が国が生産した兵器で外国の女性や子どもを殺しているニュースが耳に入ったとき、正常でいるのは想像できない。金もうけのために兵器を製造販売している会社で働く人々の子どもはどう思うのか。働く人はそれでも「国を守っている」と威張れるのだろうか。国会で審議らしいことも無く、殺人兵器を売ることに踏み出した。
■マスコミもほぼ扱わない。なんという日本になったのか。あのすさまじい犠牲を生んだ原爆を経験した日本だからこそ作れた憲法だったが、他国のそれと寸分違わない国になった。私はベトナム戦争時代が青春だった。世界中の若者も「反戦!」を叫んでデモをしていた。
■米国は私の知る限り、日本以外で降参させた国はない。ベトナム戦争は20年続いたが、結局ベトナム人たちは武器を放棄することはなかった。アフガニスタンもそうだ。憎きタリバンをと攻撃したが、結局撤退を余儀なくされたのだった。
■国を守るために殺傷能力ある武器を製造、保持までは良しとしても、外国に売ることは日本人の心を売ることだ。戦後、外国の女性や子どもに一切恥ずかしい気持ちを持たずに生きてこれた日本人の自尊心を壊さないで欲しい。もう政治家も信用できなくなった。デモをする体力もなくなった。
(中島 進)
