コラム・エッセイ
No.08 『札束で頬をたたく』という表現は、上関町、対馬市の住民を叩きのめしてはいないか
独善・独言![]()
上関町と対馬市が核のゴミの処分場の調査対象として手をあげた件、本紙中島社長は10月12日の「一言進言」で『地域みんなでこの問題を勉強しよう』と呼び掛けている。そこでこの件に関し私なりの視点を申し上げたい。
私が気になったなったのは『電力会社が札束で頬をたたく行為である』との批判記事。これを聞いて両町民がどんなにつらい思いをしたかと気の毒になる。
全国には7,000弱の離島があって421が有人島。これには上関本島や笠戸島のように実質地続きになった島も含まれるらしい。
島の生活は大変であろうが、島民の生活を後押しする行政の役割は、内地のそれと比較にならない。
極端な例をあげる・・・上関町祝島に2021年に祝島小学校が再開校された。移住の方の子どもさん2人が小学校に入学されことによるものでありうれしい話。しかし、再開校になると校舎の改修と維持、校長1人、教員1人の手配が必要となる。町は負担増となる。
A表は上関町と対馬市の財政関連の数値を並べている。漁業以外の産業に乏しい→❸税収が少ない→❹借金や❺国からの交付金に依存するようになる→懐具合は毎年悪化して、住民が期待する施策が打ち出せなくなる・・・そして、行政の努力は報われず、ここ10年間の❻離島者の人数は、半端でないものになっている。この惨状は周南3市はもちろん、奄美市とか八丈島という代表的な島町と比較しても傷みの厳しさが判る。
冒頭の電力会社を批判した方、この“打つ手がない”と言っても良い状況をどこまで理解していたか。撤回した対馬市民の“手をあげたのも地獄、断念したのも地獄”の声が聞こえるか。
しかし、安全を無視して処分場の誘致に賛成なのかと問いかけられるとつらい。「問題ないというなら、電力消費一番の東京都に作れば良い」という中島社長の主張は小気味よく聞こえる。さらに、周防地区は既に「米軍岩国基地」という“国内のどこかに置かざるを得ない危険なババ”を引き受けているという事情もある。
それでも賛否を明確にと言われれば、㊀原子力発電所よりはマシ、㊁上関町の町民に浮揚の希望がでてくれば、㊂さらに、上関の活性化が周辺に広がればよい、㊃中電の協力により人を呼べる宿泊施設でもできないか、㊄最後に、このババもいずれどこかが引かなければいけないババである・・・というような希薄な理由で賛成する。
ところで、下松市は瀬戸内海岸沿いでは珍しい離島を持たない市である。市の財政が比較的堅実であるのは、このことにも要因がないだろうか。また、笠戸島には小学校も中学もない。この廃校を推進した市のスタッフと、それ応じた柔軟な島民の姿勢を改めて賞賛したい。
・・・がどうでしょうか。
講演請負業 阿武一治 kazuharu.anno@gmail.com
