コラム・エッセイ
削除、リセット
新しい出会いに向けて-この町・あの人・この話- 浅海道子毎年タイミング遅れながら、明けましておめでとうございます。本年も健康第一に、よろしくお付き合いお願いします。
年の始めに思うことはほとんど変わらないが、年を経るごとに重みを増すのが「健康第一」ということ。
一日の活動を終えて眠りに就き、目覚めて朝の陽の光に、生きて今日を迎えられたことを喜び、年の瀬の行事を終えてテレビの画面を閉じて一夜が明け迎えた朝に、新しい年に命をつなげられた感慨を受け止める。
命あること、今生きていることを確かめることこそが「しあわせ」ということだと思うのだが、その命が健康に支えられていることは、よりしあわせを感じさせてくれることに違いない。
健康とは心身の全てがそれぞれの最善最高の状態にあるということではなく「今の自分にはこれくらいのことは出来てもいいだろう」と思うことが出来る状態だと思うので、それほど高望みをするのではないが、昨日できたことが今日も出来るように、願わくは、昨年出来たことは今年も出来て欲しいと思う。
決してささやかではない願いかもしれないが、どうかこの願いが聞き入れられますようにと、年の始めに、まずはお願いし、お祈りしたい。
1年の計は元旦にありという。自分の前にある新しい時間をどのように過ごすか、過ぎ去った時間の自分の行動を振り返り、反省し後悔し、あれはこうしておけば良かった、あの時あんなことがなければ良かったとの思いがつきまとうが「過去は変えられない。変えられるのは未来だけ」の名言通り「言うて詮無きこと」になる。
これが手持ちのパソコンなら、見たくもない無駄なファイルは「削除」をクリックすればメモリーから消えてしまうし、やりかけたゲームも「リセット」すれば最初からやり直すことが出来る。
変えられる未来に長い時間を持つ若者には、どんなに不本意でも変えられない過去の削除やリセットにこだわることなく、自分の未来を社会の未来をどのように変えるかに気持ちを注いで欲しいと願う。
残された未来の長さを推し量れる高みに立った思いのこの新年に、叶うことならこの世から削除したいもの、リセットしたい事々を浮かぶままに挙げてみると、真っ先に削除したいのはウクライナ戦争、新型コロナウイルス禍、大震災と原発事故、中村博士/元首相の暗殺、五輪汚職、ウイグル族迫害、香港圧政、異常気象、統一協会癒着政治、まだまだいくらでも続く。
リセットしたくなるのは年金政策、派遣労働政策、少子高齢化対策、原発事故汚染水処理策、防衛費増額、国債依存の財政策に憲法改正論議。
削除してリセットしたらどうなるのか、解答があるわけではなく、初夢の材料にもならなかったが、18才にまで広がった投票権を持つ若者達が自分の未来を考え変えていって欲しいと願う、この新年だ。
(カナダ友好協会代表)
