2026年06月24日(水)

コラム・エッセイ

ぴんぴんコロリ?

新しい出会いに向けて-この町・あの人・この話- 浅海道子

 3月。年度終わりの決算、締め業務で身も心も忙しいこの時期。今年はこれに加えて来年度の事業入札の準備が重なって、自分だけでなく、周囲を全て巻き込んで、てんやわんやの大忙し。疲労困ぱい状態で、ようやくほっと一息のひとときを迎えた。

 気がつけばもう傘寿も過ぎた身、普通なら若い人に後を任せて引退し、それぞれの思いを乗せて活動する姿を隅っこの椅子に背をもたせて満ち足りた笑みを浮かべて見守っているのがふさわしい。自分でも心の中ではそんな姿を待ち望んでいるのだろうと感じはするのだが、我に返るといつもパソコンに向かっているか、打ち合せの電話を握っているかで毎日が過ぎている。

 そばで見ているわが連れ合いに言わせると「自分の思いがこもった事業に多くの人に支えられながら打ち込むのは、苦労も喜びに変える充実した人生を送ることにつながるのだが、いずれは自分の思いとスキルを託せるように後継者を育てることが、自分にとっても事業にとっても最大の課題になる」そうだ。

 それはその通りで、齢を重ねて行くと気持ちはともかく、体は日に日にがたついてくるのが実感される。何年か前なら思いついたらすぐ現地に出かけて話し合うことが出来たのに、今は電話とオンライン会議がなければ何も進まなくなっている。

 取り組んでいる事業は人のつながりが全ての内容なので、現場の空気を肌で感じること、人と顔を合せて語り合うことが重要なことを、それが次第にスムーズでなくなった意識の中で強く思っている。

 でもとにかく毎日を忙しくも、まずは充実した気持ちで過ごせている忙中閑のひととき、これも暇を得た様子のつれ合い殿と近くのショッピングモールに出かけた。

 道々お互い、健康に不安の種は抱えながらも日々何とか無事に送れていることを喜び合い「このあいだYさんとも話したのだけれど、やはり人生はぴんぴんコロリがいいわね」と言うと「自分が願うなら、ぴんぴんピンだな。どんなにぴんぴんでも、いつかは願わずともコロリになるのだから、願うならぴんぴん、ピンだな。」と言う。

 それはそう。誰だってぴんぴんピンがいいのだけれど、無理なことだから、せめて生きている間はぴんぴんでいたいものだというのが万人の精一杯の願いだろう。ぴんぴんピンなんて、分をわきまえぬ過ぎた願いだと思うが、いつまでもぴんぴんでいられるのなら、わたしもぴんぴんピンでいたい。

 手を染めたメタバースやアバターで世界がどう変わるのかをこの目で確かめられるなら楽しいだろう。もっとも、核戦争で人類破滅、年金破綻で日本破滅を見るのは願い下げだが。

(カナダ友好協会代表)

LINEで送る
一覧に戻る
今日の紙面
山口コーウン株式会社

「安全で 安心して 長く勤められる会社」をスローガンに、東ソー株式会社等の化学製品を安全かつ確実にお届けしています。安全輸送の実績でゴールドGマーク認定を受け、従業員が安心して働ける環境と「15の福利厚生」で従業員の人生に寄り添っています。

東ソー

東ソーが生み出す多種多様な製品は、社会インフラや耐久消費財など人々の生活に役立つさまざまな最終製品に使われています。総合化学メーカーだからこそできる、化学の革新を通して持続可能な社会に貢献していきます。

周南公立大学

2024年春、周南公立大学は新学部学科を開設しました。経済経営学部(経済経営学科)、人間健康科学部(スポーツ健康科学科・看護学科・福祉学科)、情報科学部(情報科学科)の3学部5学科体制となりました。大学の活動や入試情報も随時公開中!

株式会社トクヤマ

トクヤマは、電子材料・ライフサイエンス・環境事業・化成品・セメントの各分野で、もっと幸せな未来をつくる価値創造型企業です。