2026年05月01日(金)

コラム・エッセイ

恐竜学部

新しい出会いに向けて-この町・あの人・この話- 浅海道子

 福井県立大学に日本初の恐竜学部が設置されたというニュースを見て、思ったことは「面白いな」ということ。

 新生児数が70万人を切り、少子化の現実が明々白となり、大学進学率が60%近くになったと言ってもいずれ定員を満たすことが難しくなり大学運営は一段と苦しくなることが容易に想像出来るから、健康や環境、デジタル化社会対応系分野なら、学究の門扉を叩くためばかりでなく社会活動への準備として新しい学部を目指す若者が増えても不思議ではないのだが、恐竜学部。

 いつ頃だったか、各地の大学でマンガ学部が誕生したときにも同じように感じたことがあった。

 大学でマンガの研究か。何をするんだろうと思ったりもしたが、その後の日本アニメが日本文化を代表する1分野として世界に受入れられているのを見ると、作家の才能に任せた向上発展ばかりでなく大学で本格的な研究対象として取り上げられてきたことが今日の隆盛に大きく貢献しているとも思え、新学部設置が常に功利的な、一時の社会的興味に乗じたものとばかりは、簡単には言えない。

 とは言えマンガなら、1作でも当たれば莫大な収入と人気を手にすることも出来るから、それを動機として多くの若者が新設学部を目指しても、不思議でもおかしくもない。

 だが、恐竜専門家となることが富や栄誉に繋がる道だとは思えないから、今春開設恐竜学部第1期生達の入学動機は「面白そう。やってみたい!」の1点なのだろう。

 世に恐竜研究家、専門家は既に数多くおられるだろう。恐竜に興味を持ち研究対象とすることをその人が入学した学部の同僚全てが選ぶということは起こり得ないが、ここは恐竜学部。それが起こるのだ。

 文学部なら日本、中国、欧米、ロシア、インド、アフリカ言語の分布は幅広い。理学部なら宇宙の果てから深海底、森羅万象あらゆるものが研究対象。研究テーマの幅も広いし、研究者達が大学を巣立って分散する先も幅広い。でも恐竜学部。恐竜に精通した毎年30名が、一体どこへ散らばっていくのだろう。

 少なくとも4年以上先のことで、今私が心配しても仕方ないが興味津々。いつかどこかで「私、2025年に入学した第1期生です」という人に会うことが出来たらうれしく楽しいだろうと期待している。

 恐竜には全く門外漢だが、耳にしている話では恐竜の専門家は化石となって掘り出された恐竜の骨の1片から、それがどの部位の骨かが分かればその恐竜の全体像を描くことができるという。

 骨片1個から全体を推定できる。言わば「1を聞いて10を知る」訓練の出来た人材が毎年同数送り出されるなら、送られる先は恐竜分野でなくても、小さな兆しから全体の変化を掴める人材に渇望しているこの国にオータニさんにも勝る希望の星と輝くかもしれない。

 そんな思いで画面を追った恐竜学部発足のニュース。期待に応えて輝け、若者達!

(カナダ友好協会代表)

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