2026年05月01日(金)

コラム・エッセイ

146万人

新しい出会いに向けて-この町・あの人・この話- 浅海道子

 少子高齢化が日本ばかりでなく韓国や中国なども含めて世界的な政治経済問題になってきている。

 様々な産業分野で生産活動に携わる人の数が少なくなれば経済規模は縮小して国の税収も少なくなるから、道路港湾や上下水道などの公共インフラ整備や防災安全・教育・社会福祉を支えることが出来なくなる。

 足りなかったら借金して賄えばいいと国債発行して済ませる悪癖も、積もり積もって1,300兆円超え。国民一人当たり、あなたも私も傘寿老人も可愛い孫娘も一人当たり1,000万円以上の借金を抱えている状態になり、さすがに何でも借金でとは言えなっている。

 そんな中ここ数年146万人という数字があちこちで語られるようになっている。15歳から64歳のいわゆる生産年齢にある人たちのうちで、学校や職場を通じて社会と繋がることも繋がるための活動も出来ないで居る「ひきこもり」と言われる状態にある人の数。

 少子化問題とは要するに労働者力不足への恐怖だから、生産年齢人口のうち146万人が抜け去っているのは大問題。何とかしなければ。国を挙げて対策に取組まなければならないが、解決を難しくしている3つの問題がある。

 まず、治療法がない。ひきこもりは、ひきこもっているという状態のことで、特定の原因で起こる病気ではないから、薬やワクチンで治るというものではなく、本人も家族もどうすればいいか分からず共に苦しみながら長年月を過ごすことになる。

 家族や支援者の努力で改善した例が報告され、希望と期待を興しているが、改善は本人が適切なきっかけと情報を得て行動を起こした場合にしか得られない。支援の働きかけが行動に結びつき状態改善するには時間がかかる。

 その時間を待つことが本人にも家族にも耐えられなくなる。どうすれば良いのか、どうなるのか分からないまま時間が過ぎる。この状態が続くことが引きこもり問題を深刻にする第一の要因だ。

 次の問題は、これほど広範囲に社会的、経済的ダメージを与える問題であるのに、予防のための体制が注目も整備もされていないこと。

 成人病、がん、交通事故、産業災害などでは、起こってからの対策と同様に予防が大切と理解され、予防策が整備され実施されている。ひきこもりには、なってからの支援や社会参加の支援はかなり進んできたが、なぜそうなるのか、どうすればいいのか分からないから、予防にも備えられない状態が続いている。これが第2の問題だ。

 そしてもう一つは名称。誰がつけたか「ひきこもり」。自分をそう思い、人からもそう言われることで周囲との分厚い壁が出来てしまう。大学入試に失敗して再チャレンジ状態にある者が「浪人」と自称し、呼ばれてもさほど軋轢を生じないように、自他共に抵抗のない呼び名を用意すること。
 これも状態改善や予防への努力と同じくらい、ひきこもり問題を考える重要課題だと思う。

(カナダ友好協会代表)

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