コラム・エッセイ
No.870 『石鯛釣りを 周南の観光に!』
伊藤博之の釣れ釣れ談議コロナコロナと気を取られ、季節の感覚が少しずつずれてしまってきています。「心ここに有らざれば見れども見えず」でしょうか。
ゴールデンウイークを過ぎ、コロナの全国拡大をどうやら乗り切ったのではないかと思い始めてなんとなく少し気持ちに余裕ができたのか、事務所に行く途中、本町にあるお花屋さんの前に来ると色とりどりで、また店先に並ぶ改良された多くの品種の紫陽花の花が目に止まるようになり「そうか、もう夏が来るのか」と思わず季節の感覚が蘇って、自転車を止め、ひと時の保養を楽しんでいます。
花屋の紫陽花は温室栽培なので我が家の鉢植えの紫陽花より1カ月以上早く花を咲かせて店先に並びますが、6月に入りやっと我が家の紫陽花にも色が付き始めました。これからはひと雨ごとに花が大きくなり、色が濃くなってきます。今年も「万華鏡」が楽しみです。昨年より花数は多く付けていますが!
紫陽花が花屋に並ぶ頃になると石鯛の大群が豊後水道を上って瀬戸内海へ産卵のために入ってきます。10年前ぐらいまではゴールデンウイークを過ぎて周南市水産市場に水揚げされていましたが、地球温暖化が世界で強く叫ばれるようになったここ10年、海水温の上昇もあり、ゴールデンウイーク前に水産市場に水揚げされるようになりました。
多くの石鯛は周南地区の定置網に入ったものが出荷されています。年により大小は違いますが、今年はとびぬけて大型の70センチちかく4〜5キロある石鯛はまだお目にかかりません。40〜55センチで1〜2・5キロが多いですね。1日平均50枚ぐらい出荷されていますが、我が家の紫陽花が咲く頃になると、産卵のために岩礁に付き定置網に入らなくなります。水揚げされる石鯛も抱卵した魚が多く見られるようになりました。まもなく石鯛は岩礁に付くので石鯛の磯釣りが始まります。
野島での石鯛釣りが始まったのは今から40年前頃だと思います。最初は徳山若潮会の野村さんが野島の「ホコ」と呼ぶ磯で石鯛竿の持ち合わせがなくヒラマサ竿に石鯛仕掛けエサはサザエで釣り上げた50センチオーバーの石鯛でした。「野島のホコで石鯛を釣った」のニュースはその日のうちに周南地区の石鯛野郎の耳に入り、次の日から3船あった渡船は予約で満船。徳山港の岸壁に付いていたカラス貝が石鯛釣りの撒き餌で無くなるほどでした。
幻の石鯛が徳山港から20分の磯で爆釣です。自分は早朝コース、朝4時に出船して8時には帰って会社に行っていました。四国へ泊まり2日釣行してもボーズばかりの石鯛釣りが釣行のたびにつれ、竿は2本折られましたね。野島の石鯛釣りは昔より時季は少し早くなりましたが40年過ぎても毎年周南地区の石鯛野郎の胸を躍らせています。
毎年60センチオーバーの大型も何枚か釣れています。水深が浅いので釣り方も繊細です。近年は餌もバフンウニで食わせるタイミングも微妙。食わせる石鯛釣り、磯釣りの極意を味わって下さい。初心者もすぐ入門、必ず嵌(は)まります。朝大阪を出発、昼には磯へ。周南市でしか楽しめない石鯛釣りです!
(県磯釣連合会最高顧問)
