コラム・エッセイ
『戦争が時間を止める、これも神ですか!』
伊藤博之の釣れ釣れ談議人は誕生した時から1人1人、この世での時間が決められている。自分はなんとなくそう思っているのですが…そう思った最初のきっかけは女房の死です。
自分の父親は49歳の時、胃ガンで亡くなりました。また母親も70歳近くの時、胃ガンが見つかりましたが初期だったので胃を半分ほど切除し、その後、全快しました。
ガンは遺伝の確率が高いと聞いたので40代後半から毎年、胃カメラで検査をしています。60歳の時、検査でガンが見つかりました。初期だったので内視鏡での手術で摘出、2週間の入院ですみました。ガンも早期発見なら意外と早く完治できるのだなと思いました。
女房が病院に来た時、早期発見が一番と、さっそく乳がんと子宮がんの検診を勧めました。本人も納得し、検診に行くとの返事でしたので行ったものだと思い込み、忘れていました。手術から1年後の胃カメラ検診日が決まった時、女房の検診を思い出し「前に話した検診に行ったか」と聞くと「行っていない」の返事。その上「我が家の家系にはガンはない」と。その時は自分も女房にガンがあるとは思っていなかったので、早く検診に行くように言ってその場は終わりでした。
自分が病院で検診を勧めてから1年半くらい過ぎた頃、なんとなく気になり強く検診を勧めるといやいやながら行った検診で嫌な予感は的中し、中央病院に呼び出されて説明を受けました。ステージ3で手術が間に合わず、長くて余命5年。頭の中は真っ白になり、帰りの運転は覚えていません。1年半前、自分の言ったことを聞いてくれていればと悔やまれます。
自分と女房は8歳違います。「日本での平均寿命は男性より女性のほうが8歳くらい長生きだから15〜20年ひとりですよ。しっかりへそくりしなさいよ」とよく言っていました。女房の人生で神は検診に行かない方の道を選ばれたのでしょう。2010年永眠。誕生した時に神が決めた58年の人生だったのでしょう。
3月4日、ますや旅館の女将、安部真寿美さんが永眠されました。細やかな心遣いをされる方で「お母さん」と呼んでいました。味付けが上手でポテトサラダ、うま煮、肉じゃが、カレーなどよくいただきました。入院されていましたが、もうすぐ退院できると聞いていました。しかしその数日後、社長の進太郎さんから「亡くなった」と連絡が入り「うそ」の一言です。人生の時間の終わりは突然です。
今、1人の愚かな指導者、プーチンの命令で戦争が起こり、たくさんの人々が命を落としています。いくら神の決めた人生の時間でも哀れを感じます。1人の強権者のために大勢の人の時間がむりやり止められるのです。
ロシア国民よ、目を覚ましなさい。このままではロシアは永遠に汚名を残します。ウクライナの子どもの時間を止めないで!
(県磯釣連合会最高顧問)
