コラム・エッセイ
No.10 苗半作
中須里山通信 形岡 瑛「苗半作」というのは、良い苗ができるかどうかがその年の出来具合を決めるという意味合いだ。農家はほとんどがJAなどから箱苗を買っている。私は自分でポット苗の育苗をしている。ポット苗というのは、苗箱にポット(穴)がつくってあり、それに土を入れて籾(もみ)を入れその上から土を被せて苗床に並べる。そのポットの土に根を張るので活着が良い。それがポット苗の強みだ。
これまで育苗は何とかやってきた。それが一昨年から不注意などによるトラブルが出始めた。昨年は大失敗。苗が足らなくなり田布施や周防大島の人から余った苗をもらって間に合わせた。
今年は万全を期して取り組んだつもりだったが、また不注意から、一部で土の上に籾がぱらぱらと散らかった。それが早い梅雨入りの雨のおかげで土の上に散らかっている籾からも芽が出てきた。
毎朝見ていると、芽はまっすぐ天に向かって伸びていく。根は曲がって土の中に入っていく。(写真)芽の出る部分が上になっていても下になっていても必ずそうなると話には聞いていたが自分の目で見るのは初めてのことだ。
芽の先端でオーキシンという物質が作られ下に降りる。オーキシンは細胞に水が入るスイッチを入れる。すると細胞に水が入る。水が入ると細胞膜が風船のように拡がって大きくなり苗が伸びていく。根もこのオーキシンの働きで伸びていくので芽が傷んでしまうと根が枯れる。そこまでは分かるが、根が水を求めて伸びていくという行動はどうして起きるのか?
実は、根は種が水を被っていると横にも伸びて根を張っていく。このことは実際に経験している。そうすると根の働きとして水を感知する機能があるということになる。その仕組みはまだ私は理解していないが、そのような仕組みがあるということは事実としてあるのだ。
だが、そんな事よりも来年こそ気を抜かずにしっかりやらなければならない。
芽と根
