コラム・エッセイ
No.35 「悲しき農村」⑯ 稲作10年目(8)
中須里山通信 形岡 瑛今年は、観測史上初の6月中の梅雨明けで、その上、これも観測史上初めてという6月中から真夏日、その上、7月の戻り梅雨、その後の猛暑日が続いている。そのため、カメムシの大量発生となった。7月中旬までは、非常によくできていたのぶこの畑のトマト、ナス、オクラなど無傷であったものが、カメムシの被害で壊滅に近い状態になった。無肥料栽培でもこれほどの大発生となると、被害は免れ得ないようだ。
米は、カメムシが穂につくと黒い斑点ができる。被害を受けた米は斑点米といわれ、これが混じっていると、等級検査で2等、3等に落とされ、農協の買い取り価格が引き下げられる。慣行栽培の農家では、殺虫剤散布による防除に大わらわだ。籾摺りのとき色彩選別にかけて斑点米を取り除くのだが、余り多いと収量に影響する。
農薬を使用しない自然栽培、有機栽培では、畦畔の草刈り管理で対応している。畦畔と周辺の耕作放棄地も含め、年間を通して草を刈り、カメムシの越冬や繁殖環境をなくするのである。ただし、出穂期になると畦畔の草は刈らない。畦の草にとりついたカメムシを田んぼの中の稲に追い込むことになるからだ。
写真は、あきらの田んぼの亀の尾、穂が出揃ってきたところだ。びっしり生えた畦草に囲まれて居る。ここは、田植え前に草刈りをして今日に至っている。できれば、出穂期の前に刈っておきたいところだが、手が回らなかった。周辺の耕作放棄地の草刈りも手が回らない。ここに至っては、この畦畔の草は“カメムシバンカー”として、籾が熟れ堅くなるまで、つまり、稲刈り前までこのままにしておくしかない。
8月7日中須南金剛面
