2026年06月01日(月)

コラム・エッセイ

No.36 「悲しき農村」⑰ 稲作10年目(9)

中須里山通信 形岡 瑛

 写真は「のぶこの畑」のナス。通常は、無肥料・不耕起栽培で農薬要らずなのだが、今年は6月下旬からの記録的な高温でカメムシが異常発生、さすがに被害を受けた。秋ナスは諦めていたが、少し涼しくなってカメムシが姿を消すと甦った。9月一杯、無施肥・不耕起・垂直仕立ての濃厚で水分たっぷりのナスを堪能出来た。ミニトマトも同様だった。こうしてみると、栽培方法が適切であれば、異常な事態で一時的な影響は受けても、それは、限定的と考えてよいのではないか。一時的な被害があっても、農薬が必要だとは思わない。

 稲のカメムシ被害は、仲間に聞いてもいわれたほどでもなく、筆者が収穫した亀の尾も検査が一等で通った。色彩選別ではじいた量も例年より少ないくらいである。亀の尾の収穫は昨年の約1.5倍であった。

 現在の一般的な慣行栽培における農薬による防除は、いわば被害をゼロにしようということだ。ウンカやカメムシについては、苗箱に殺虫剤を入れ、次に発生の時期に散布し、被害が大きいとさらに緊急的に散布する。このように、発生状況にかかわらず予防といって農薬を施用するのは、いかがなものか。さらに、被害発生してからの緊急防除は、被害を減らすことになるのかどうか。一昨年のウンカのときの様子を見ると、その効果は疑わしい。

 加えて、今多く使われているネオニコチノイド系など浸透性で神経の情報伝達回路を破壊する殺虫剤は、①耐性種が出て来て効かなくなる、②天敵も一緒に殺して被害を拡大するだけでなく、③生態系への重大な影響、④ヒトの成長や健康への影響などが懸念され、農薬の代金や、散布する機械の費用など考えると、大いに疑問である。

「のぶこの畑」のナス(8月23日)

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