コラム・エッセイ
No.45 農村の希望(1) 限界集落⑦
中須里山通信 形岡 瑛奥畑から県道徳山徳地線に出て右折し、金峰川沿いに登って進むと金峰の郷の集落である。あの痛ましい事件が起きた集落である。被害者のなかに私の知人もいたし、加害者となった彼もたどりたどれば知人の縁続きである。また、小学校の時、赴任してきた校長先生の息子さんで、当時仲良く相手をして貰った先輩もそこの住人である。現在も交友のある人も居る。それを、一部のメデイアで、何か奇っ怪な空気のある集落のように取り沙汰されたことで筆者は憤慨をしたものだ。
限界集落の限界も超えて消滅寸前となった集落には、人と人との利害の衝突や感情の行き違いが大勢の中で紛れるということが難しくなる。そのことに考えを及ぼさない風潮には憤懣やるかたないのである。
さて、そこを過ぎて、防長吉野の里に向かう手前から左折し、県道下松鹿野線に。峠を越えたところが奥光である。今では“ユーフォーところ”という方が通りがいい。ここは、いまは、民間の農業法人が学校給食の食品残渣でつくった液肥を用いて学校給食用にタマネギを生産している。荒れ果て、茅などに覆われていた農地が再生されている。(写真)
もっと前のことだが、その時は、須々万から渡瀬に下り、錦川沿いに上って、この集落に入った。右手の小さなエキの奥の一軒家を訪ねた。その家に一人暮らしの高齢の女性が、「まわりに誰も居ないから、葬式も出来ない。死ぬ時は畑に自分で穴を掘ってはいっときますよ」話していた。
かつて、集落では、葬祭組合の仕組みがあり、地元で葬儀を行っていた。今は、どこでも、集落での葬儀はほとんど行われず、民間経営の斎場が利用されている。
奥光の農地
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