コラム・エッセイ
No.59 農村の希望(2) 「究極の田んぼ」3
中須里山通信 形岡 瑛岩澤信夫さんの冬期湛水不耕起の田んぼは、冬期湛水でイトミミズが繁殖し、その糞でとろとろ層が出来て雑草の芽を覆い窒息させるので除草作業は不要となる。様々な生き物が共生し、物質代謝と食物連鎖で土が豊かになり、肥料も要らない。
これまで何百年もの間、深く耕し、雑草の根を取り去り、土を細かくして肥料を鋤き込むということが行われてきているので、そうしないと作物ができないという固定観念があるが、この頃になって、完全な不耕起でなくとも、「浅耕」「準不耕起」冬期湛水をという人が増えている。
先進地である兵庫県豊岡市では、「コウノトリ育む農法」=「生き物共生型農業」を農家、行政、JAとが連携して取り組んでいる。「コウノトリ育む農法」=無農薬・減農薬の水稲作付面積は放鳥開始の2005年41・7ヘクタール(無農薬4・7ヘクタール)から2022年に446・6ヘクタールに拡大、そのうち162・6ヘクタールが無農薬だ。減農薬はネオニコも含めて殺虫剤不使用、除草剤85%削減となっている。コメは再生産所得補償方式で米価を定めている。(減農薬は慣行の1.3倍、無農薬は1.9倍)2027年度には小中学校の給食6,900食分の全量(年間90t)を減農薬から無農薬へ切り替えることを目指している。(*)
筆者は、冬期湛水には至っていないが、殺虫剤、殺菌剤、除草剤を使わず除草作業をしなくてすむようにと模索を続け、11年目になって、ようやくなすべきことが身体に入ってきた感じである。
*=佐竹節夫(日本コウノトリの会代表)「コウノトリのため生き物共生型農業へ」(『現代農業』2023年8月)、西村いつき(兵庫県農林水産技術総合センター次長)「コウノトリ育む農法は生き物を育む環境と稲作が両立する農法」(『季刊地域』50号、2022年)
餅米はよく出来た。(10月21日、中須北の棚田)
