コラム・エッセイ
No.66 農村の希望(3)微生物4
中須里山通信 形岡 瑛「そねえなことじゃどうもならん」と云われそうだが、軽トラのボディのあちこちに青カビが生える。洗っても落ちないので、ガソリンスタンドでカビの取れる洗剤はないかと聞いてみた。「そりゃ拭き取るしかないですね」と云う。そこで濡れタオルで拭き取ってみたが、すぐ同じところにはびこる。
考えて見れば、カビは微生物なので一つ一つの個体は目に見えない。見えなくても個々の個体は生きているのだから拭き取ったと思っても直ぐに増殖して青カビが現れるのだ。
先日、車を洗うとき、ふと、パストゥールが考え出した低温殺菌法や日本酒の醸造過程の火入れのことを思い出して、ボディの青カビの上に熱湯を浴びせてみた。数日後、青カビは涸れて茶色に変色していた。指でこするとぽろぽろと崩れていく。カビが熱湯で全部死んだのだ。
青カビというと餅やパンなどに着くと有害であるが、その青カビからペニシリンが出来る。乳酸菌は、ワインやビールに入り込むとアルコール発酵を妨げるが、それ自体は、漬物、味噌、などの発酵食品やヨーグルトなどの乳酸飲料を作ってくれる。他の雑菌の繁殖を抑え漬物などの腐敗を防ぐ。
このように、微生物は、あるときには有益であり、あるときには害をなす。他の菌の死骸を餌にして増殖するものや、ジャガイモなどを害するセンチュウに蛇のように菌糸を絡めて生きたまま食べる菌もいる。
写真は、前回と同じ腐った藁の中に現れていたもので、菌類カビの仲間で植物の死骸を窒素など植物の養分となるものに分解する。
多種多様な微生物が活動して、植物や小動物との「生活循環」で「土作り」をしているのだ。
