コラム・エッセイ
No.67 農村の希望(3)微生物5
中須里山通信 形岡 瑛2月21日水曜日、日中ものすごい雷鳴と土砂降りになった。雨の後、あちこちで椎茸が出て来た。
「雷が鳴ったら椎茸が出る」というのはよく聞く話だが、こんなにボコボコ出てくる様を見るのは初めてだ。雷のエネルギーで空気中の窒素と雨水とでアンモニアが出来て地上に降りて来て、シイタケを増殖させたのだ。
普通キノコと云っているのはキノコ菌の胞子を作る器官(子実体)である。我々はそれを食べている。植物で云えば果実のようなものだ。大きくなると、笠を広げて胞子が飛びだし空気中に飛んでいき仲間を増やすのだ。椎茸など倒木に寄生するキノコ菌は、木の養分を食べて木の組織を分解し土に返していく。
同じキノコでも、マツタケは生きたアカマツの根に寄生する。アカマツの根のように菌類が寄生する根の先端を菌根と云う。菌根に進入して寄生する菌を菌根菌と云う、マツタケ菌だけではなく、いろいろな菌があらゆる植物の根に寄生し樹木から糖を貰い、土の中に伸ばした菌糸が根から離れたところにあるリン酸のほか窒素などの養分や水分を吸収して植物に供給する。いわば、植物と微生物との物々交換だ。
深く耕して草を取り除き土をきれいに「清掃」するとこの自然の「生活」循環を破壊する。その上、過剰な肥料農薬が入ると微生物にどんなダメージをもたらすか想像に難くない。自然の食物連鎖、物質循環で成り立っている生態系を保つことで土は肥沃になる。
ただし、作物を作る上では生態系を保つ栽培管理は必要だ。
参考書目=横山一成監修『土壌微生物のきほん』誠文堂新光社
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2月21日の雷と雨で出て来た椎茸(鹿野渋川「たぬきの館」の裏山、2月25日撮影)
