コラム・エッセイ
No.32 京都で出逢った地元ネタ
ねえ、ちょっと聞いてよ! 予備校講師 長谷純子こんにちは。もう今年最後の月になってしまいましたね。今年も無事にこのエッセイを書き続けることができました。本当によかった。職業柄、文章を書くこと自体は全く苦ではないのですが、書くネタ探しには苦労しました。書き終えた直後から次は何を書こうかと考えながら通勤や食事をすることが日課のようになっています。できれば周南地域(周南、下松、光)か、個人的にはもう少し広域でせめて山口県を絡めたネタを。これが私には一番難しかったりします。なにせ職場は周南地域外や県外、過去にはよくよく考えたら24時間周南市というか県内にいたのが1か月に3日しかなかったということもあるだけに、地元ネタの手持ちが少ないんですね。
そんな私が今回は京都市でネタに出逢いました。京都市で周南地域のネタですよ! 私もちょっとびっくりです。
11月の上旬に何とか仕事の合間に時間を捻出して日帰りで京都に行ってきました。京都市には五つの花街(芸妓さんや舞妓さんが所属する置屋などが集まる地域)があります。「上七軒」、「先斗町(ぽんとちょう、と読みます)」、おそらく京都で一番大きく有名な「祇園甲部」、「宮川町」、明治に祇園甲部から分離独立して「祇園東」です。そして、3月下旬に上七軒が「北野をどり」、4月には宮川町が「京おどり」、祇園甲部が「都をどり」、11月上旬には祇園東が「祇園をどり」を開催しています。コロナ禍の時期以外は10年以上前からこれらの各花街の「をどり」を観に行っています。チケットはインターネットでも買えるので、ご興味がある方は各花街のホームページをチェックしてみてください。ちなみに、先斗町も5月に「鴨川をどり」を公演しているのですが、時期がゴールデンウィークなのでいつかは、と思いつつ残念ながら行けていません。
で、今回は祇園東の祇園をどりと宮川町の歌舞練場(芸妓さんや舞妓さんが公演する劇場兼練習場)の杮落し公演に行ってきました。
杮落し公演なんてなかなかお目にかかれません。観る側も気合が入りますが、主催者側も気合が入っていました。その気合の一つとして、2階にあるショップでは4人の舞妓さんが気軽に写真に応じてくれていました。普段の「をどり」ではないおもてなしです。私も一緒に写ったのですが、画像を確認して後悔しました。神々しい舞妓さんに挟まれての私ですよ。舞妓さんの間にブラックホールを見ましたよ。トホホ。お二人だけのショットを改めて撮らせていただきました。これが正解ですよね。最初からそうすればよかった。
で、周南地域と舞妓さんとの繋がりなんですが。3月、4月の自称「をどり鑑賞ツアー」の最終日に夕飯を頂いたビストロのマスターが「山口県から来たの? 山口出身の舞妓ちゃんが祇園にいるんだよ。光市っていったかなぁ」と教えてくれたのです。おおっ! と心が躍りました。光市出身の舞妓さんですよ! どういう経緯で光から京都の舞妓さんになろうと思ったのでしょうか。職業の選択肢に舞妓さんがある人生。なかなかないですよ。興味が湧きます。私にはきっと大きな決断だったのだろうなあ程度の想像しかできません。
所属が「祇園」という情報なので、もしかすると今回鑑賞する祇園東にいてはる可能性もあります。今回お席が前から2列目ということもあって、いつも以上に舞妓さんお一人お一人を凝視してしまいました。見ても分からないことは分かっているのですが。もしかするとこの方が光市出身? と思うと、つい。
きっと来年4月の祇園甲部の都をどりでもどの人が光市の人? と凝視している私がいると思います。
