コラム・エッセイ
如月(一)
随想 季節の中で 西﨑博史(周南文化協会会長)2月とともにプロ野球の各球団は沖縄などでキャンプイン。光高校のセンバツ初出場も朗報です。甲子園出場は1993年と94年の夏の大会以来、実に29年ぶり。3月18日開幕のセンバツでは甲子園初勝利に期待が高まります。いよいよ球春到来です。
4日は「立春」。蝋梅から紅梅、白梅へと梅が咲き始めます。木々の先陣を切って花をつけるので春告花とも言われます。奈良時代に遣唐使が薬用として持ち帰ったのが始まりで万葉集にも百首以上の歌が詠まれています。
日本人の心を捉えた梅は、平安時代に右大臣から大宰府の権帥として左遷された菅原道真の飛梅の故事以来、天神さまの神木として大切にされてきました。京都の北野天満宮をはじめ、太宰府天満宮、防府天満宮など「学問の神様」菅原道真公を祀る天神さまには梅が欠かせません。「花」と言えば今は桜ですが、当時は梅こそが「花」でした。
梅が香にのつと日の出る山路かな 芭蕉
梅一輪一輪ほどの暖かさ 嵐雪
江戸時代前期の俳人松尾芭蕉とその高弟の服部嵐雪の句は今の季節の雰囲気をよく伝えています。芭蕉の句からは情景が見えます。辛い思いを抱いている人も「一輪ほどの暖かさ」にどれほど励まされることでしょう。
ほのかに香る白梅の
気高き姿 身にうけて
日々の誠をつむところ
ああ わが光井中学校
私が通った光市立光井中学校校歌の1番は今でも覚えています。校是「伸びよう 素直に伸びよう みんな伸びよう」の石碑に一礼して登下校していました。校歌を口ずさめばあの頃の思い出がよみがえり、同窓会でもよく歌います。近くの冠天満宮からはきらきらと輝く瀬戸内の海が眼前に広がります。冠天満宮と冠梅園一帯は毎年2月から3月にかけて梅の香りに誘われた観梅客で賑わいます。
誰しも子供の頃の思いは捨てがたいです。遠く離れて思うのは故郷とそこに暮らす人たちのこと。ふるさとがつなぐ講演会。ゆかりの人をお招きしての周南文化協会恒例の講演会は12回を数えます。この18日土曜日午後2時に周南市文化会館の舞台に登壇されるのは文筆家で宝塚歌劇の著書が多い中本千晶さん。桜木小の第一期生、周陽中から徳山高校、東大法学部を出た才媛です。故郷への思い、舞台芸術の魅力などその話は興味が尽きません。入場無料でどなたも大歓迎です。
