2026年05月31日(日)

コラム・エッセイ

又 睦月(二)

随想 季節の中で 西﨑博史(周南文化協会会長)

 20日の「大寒」をきっかけに厳しい寒さが続いています。夜明け前は氷点下、日中でも10度ほど。昭和30年代の子どもの頃の冬を思い起こします。池に氷が張り、霜柱を踏みながら登校した日もありました。

 子どもには壊す喜び霜柱    横浜市 鈴木 基之

 19日の読売俳壇の津川絵里子選。「大人でも霜柱を踏むのは楽しい。子どもはなおさらだろう」と。この気分はよく分かります。

 新年恒例の「歌会始の儀」が今年は14日、皇居・宮殿「松の間」でありました。今年の題は「明」。両陛下の歌や、一般応募の1万4,600首の中から入選した10人の歌などが古式ゆかしい節回しで披露されました。

 天空にかがやく明星眺めつつ新たなる年の平安祈る

 天皇陛下の御製。元日の夜明け前、皇居・宮中三殿で、神々に国民の加護を祈る「歳旦祭」に臨んだ折の情景を詠まれました。明けの明星(金星)の美しさに感じ入り、日本や世界の人々にとって平安な年になるよう願った思いを歌にされました。来年の題は「旅」。どのような歌が詠まれるのでしょう。

 児玉源太郎顕彰会は今年6月で10周年を迎えます。今月21日から23日まで「児玉源太郎の足跡をたどる台湾の旅」へ。会員を対象にした7年ぶり2回目の旅。前回は台北が中心で、今回は台湾高鐵(新幹線)を利用、台南から高雄、台中へと足を延ばしました。一行21名。83歳から53歳まで。周南市、光市、田布施町、遠くは西宮市からも。台南では金沢出身の八田與一(はった・よいち)が生涯を捧げて建造した烏山頭(うさんとう)ダム、高雄では新渡戸稲造が尽力した製糖業の工場史蹟、台中では源太郎の銅像があった公園などを歩きました。

 10年の歳月をかけて1930年(昭和5)に完成させたダムは嘉南平野を今も潤しています。戦時中の1942年、乗船中の大洋丸がフィリピン沖で米潜水艦に撃沈されて56歳で没した八田與一。妻外代樹(とよき)も3年後に烏山頭ダムへ身を投げて後を追いました。参加者の木本安信さん(木本商事)はこの物語に涙ぐみ、梅原豊治さん(梅原耳鼻咽喉科)はアフガニスタン支援に命を懸けた医師中村哲さんの姿を投影して深い思いを寄せられました。

 児玉神社社務所が竣工し、顕彰会事務局は周南文化協会から2月中に社務所一角に移転、児玉源太郎のふるさとからのメッセージを日本、世界へ発信していきます。

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